研究課題/領域番号 |
02306002
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
有賀 祐勝 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10017022)
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研究分担者 |
高井 康雄 東京農業大学, 総合研究所, 教授 (40011796)
山口 征矢 埼玉大学, 教養部, 教授 (70114220)
大槻 晃 東京水産大学, 水産学部, 教授 (30101041)
福嶋 司 (福島 司) 東京農工大学, 農学部, 助教授 (30111420)
小倉 紀雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (30015127)
松本 聰 東京大学, 農学部, 教授 (20032295)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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キーワード | 人間活動の影響 / 低湿地生態系 / 河口域 / 栄養塩 / 脱窒作用 / メタン発生 / 干潟 / 除塩 / 低湿地 / 河口干潟 / 霞ケ浦 / 無機窒素 / アシ帯 / 硝酸還元 / メタン生成 / 汽水域 / 湖沼 / 河川 / 人間活動 / 土壌 / 植生 / 微生物 / 干陸化 / 藻類 |
研究概要 |
(1)多摩川中流域の植物群落分布図を作成し、人間の影響を考察した。湿性立地に対する人間干渉の増大は群落組成の単純化と本来の立地に結びついた群落の数を少くする方向に働いていることが明らかになった。東京湾へのCOD,N,Pの流入負荷量を見積った結果、1日当りCOD300t,N320t,P26tであり(1989)、多摩川からの負荷は全体の3.8%に過ぎなかった。多摩川河口干潟おける硝酸還元・脱窒速度は178umol/m^2/hであった。多摩川河口域では合成洗剤起源の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)は、夏季には殆ど全てが、冬季には約80%が主として微生物分解により水中から除去されることが明らかにされた。多摩川河口沖では植物プランクトンによる有機炭素および有機窒素の生産量は、それぞれ1,880gC/m^2/yr,281gN/m^2/yrと推算された。 (2)霞ヶ浦湖岸のアシ帯の残存状況およびアシへの付着藻類の現存量と組成を調査した。高浜入最奥部と新利根川河口の妙岐の鼻地区にのみ比較的良好に保たれたアシ原が残存していた。また、江戸崎入り水草帯の調査区および人為水路での調査により、硝酸塩と亜硝酸塩の変動は岸に近いヨシ帯で大きく、沖側のアサザ帯で小さく、温室効果ガスである一酸化二窒素濃度の変動には湖水の流れが重要因子であることが明らかにされた。 (3)低湿地生態系の微生物活性について、河川水からは有機物が、河口からは海水が供給され、海水と淡水が混合する汽水域を対象に、温室効果に関連する硫酸還元菌とメタン生成菌の相互作用を検討した。メタン生成量は硫酸イオン含量と対応し、硫酸イオンが多いと硫酸還元が盛んとなりメタン生成量が減少する逆比例関係にあることを明らかにした。また、ソンクラ湖湖底堆積物の陸地還元の可能性を検討した。重粘土は電気伝導度が高いため除塩の必要があるが、除塩後の重粘土質堆積物の乾土効果は高く、客土として利用できることを示した。
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