研究分担者 |
渋谷 拓郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (70187417)
伊藤 潔 京都大学, 防災研究所, 助手 (80022721)
竹内 文朗 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50027299)
松村 一男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70027283)
梅田 康弘 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10025421)
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研究概要 |
1991年1月23日に沖縄県西表島(竹富町)に有感地震が発生し,その後一日数個の有感地震が起き続けたところ,2月13日には有感地震の数は48個を数えるに至った。住民の不安は増し社会問題となると共に,前歴のないこの地に群発地震が頻発する点に地震活動および地震発生のメカニズム解明の問題から興味が持たれた。 当研究では,地震活動の解明のために,余震の震源決定と時間的推移を見守ることに決め,直ちに地震観測の整備・送付を行い,観測計画の立案を行た。地震観測点の設置は3月3日より始め,島内5ヵ所に最適地を求め,3月5日より観測完了した。観測後直ちに,震源は極めて浅く,西表島祖内直下,直径3km以内に集中した局所群発地震であることが判明したため,当初予定していた波照間島(西表島の南30km)への地震計設置は不必要であることが分かり,中止した。島内5ヵ所の内,琉球大学施設(船浦)には3成分地震計を設置し,S波の到達時間,S波偏向異方性研究のためのデ-タ収録をめざした。 現在までのところ,地震活動は順調に減衰しており,群発地震の終息時期に近づいている模様である。しかし,琉球大学等の調査によれば,震源地の東40kmの地点には,海底温泉が湧き出しており,これが火山性の起源であることが判明している。更に,1924年に付近で海底噴火を起こしていることを考えると,今回の群発地震がマグマ活動と関連を持つ可能性も否定できず,引続地震活動の監視が必要なものと思われる。
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