研究課題/領域番号 |
02352004
|
研究種目 |
総合研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宇川 彰 筑波大学, 物理学系, 教授 (10143538)
|
研究分担者 |
宮村 修 広島大学, 理学部, 助教授 (80029511)
福来 正孝 京都大学基礎物理学研究所, 助教授 (40100820)
川合 光 東京大学, 理学部, 助教授 (80211176)
岩崎 洋一 筑波大学, 物理学系, 教授 (50027348)
石川 健三 北海道大学, 理学部, 教授 (90159690)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 素粒子物理学 / 場の理論 / 数値シミュレ-ション / 量子色力学 / スカラ-・フェルミオン理論 / 量子重力 / 二次元電子系 / 専門並列計算機 |
研究概要 |
本研究は、平成3年11月わが国で開催予定の「格子上の場の理論国際会議」に向け、国内研究の一層の進展を目指すものであり、これを念頭に置いて、課題分担者による研究並びに全国的研究会の開催を行った。 研究面では、宇治・福来・大川・美濃は量子色力学に於ける有限温度相転移の次数及びハドロンの質量スペクトルに関し、動的クオ-クを含む大規模シミュレ-ションを押し進め、岩崎は、格子フェルミオンのカイラル対称性の問題を解析するとともに、並列計算機QCDPAXを用いてグルオン系の有限温度相転移の大格子精密計算を行った。宮村は量子色力学に於ける位相的励起のシミュレ-ションを行い、また並列計算機による計算高速化の技術的問題を検討した。石川は、二次元電子系に現れる量子ホ-ル効果・高温超伝導等の諸性質を場の理論の観点から解明する研究を行い、河本と川合は、量子重力を主にランダム多面体近似の観点から調べた。また川合は岡本と共同で、ゲ-ジ理論の分類を目指して五次元格子ゲ-ジ理論のシミュレ-ションを行った。 研究会は、本課題分担者10名に加え全国各地から48名の参加を得て、3月7日ー9日の3日間にわたり高エネルギ-物理学研究所に於て開催された。会議では、本課題による上記研究結果が9の講演により発表され、一般参加者からは各種問題にわたる13の発表があった。これらに加えて、分野全般にわたる現状総括を目的として、格子量子色力学(ハドロン質量スペクトル、弱い相互作用遷移行列要素、有限温度相転移)、弱い相互作用に関するスカラ-・フェルミオン理論、強結合QED、格子上の場の理論シミュレ-ションのための専用並列計算機と計算技術の現状と将来に関する8の総合報告が行われた。 本研究計画の実施により分担者の研究は少なからぬ進歩をみせた。また研究会は本分野に従事する全国研究者を網羅して、直接の情報交換・討論に役だったばかりでなく、本分野に興味を持つ多数の若手研究者の参加を得て研究者層の拡大にもきわめて有益であった。
|