研究概要 |
本研究では,ジオイドの精密決定に供されるべきデ-タの現状がどうなっているかの調査を行なって,デ-タ・ベ-スを構築する準備を行ない,それに着手した。 本研究の主要目的であるシンポジウムをより効率よく開催するための準備に万全を期し,平成2年12月3〜5日に,東京において,「ジオイド研究の現状と将来」と題するシンポジウムを開催した。このシンポジウムでは22題の構演と研究発表があり,シンポジウムの総括として総合討論が行なわれた。これを通して,ジオイド研究における国際的な現状とわが国のおかれている状態が把握でき,ジオイド研究の将来についての指針が浮き彫りにされ,みのりの多いシンポジウムであった。シンポジウムでの構演および研究発表のすべては,プロシ-デイングス(英文,B5版,本文186頁)として1991年3月に刊行され,国内外の関係研究者に配布された。 本研究によって得られた知見は,つぎのとおりである。(1)測地学の精度はいまやmmに達しており,ジオイドもその例外ではない。(2)ジオイドの決定精度を現行のcmからmmのオ-ダ-に高めることが急務である。(3)mmの精度に達すると,ジオイドの変化を追跡することができる。(4)ジオイドの精密決定には,関連する他分野のデ-タを積極的に活用することが必要である。(5)ジオイド決定の精度を高めるために,GRSは有用である。(6)ジオイドのデ-タ・ベ-スの早期構築が不可欠である。 本研究によって得られた成果は,測地学研究連絡委員会へ報告されて審議され,本年8月に開催される国際ジオイド委員会に,ジオイド研究の提言として報告される予定である。
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