研究概要 |
本総合研究(B)により,北極域研究に関するシンポジウム及び計画検討会を各1回開催し,研究計画・観測計画の発表,討議が行われた。これらの会合を通して,北極域における大気圏から電離圏・磁気圏を包含する広い領域を総合的に研究することの重要性が強調され,研究及び観測計画の具体的推進が要望された。本総合研究(B)の実績を以下に述べる。 (1)「北極域中層・超高層大気圏総合研究シンポジウム」を平成2年12月4ー6日に開催し,大気圏・電離圏・磁気圏の分野の研究者が一堂に会して,研究・観測の計画等を発表,討議し,その成果をとりまとめ,シンポジウム報告書を出版した。このシンポジウムでは,北極域成層圏中間圏における大気化学成分,オゾン,エアロゾル等を気球,分光計,ライダ-を用いた観測計画が提案された。太陽風エネルギ-が磁気圏電離圏に流入し,熱圏大気から中層大気に影響を及ぼす機構を明らかにするため,オ-ロラ,磁場の観測,光学干渉計,レ-ダを用いた観測計画が提案されている。 (2)「北極ISレ-ダ検討会」を平成3年3月9日に開催し,日・欧国際協力によりスピッツベルゲン島にISレ-ダを建設する計画について,科学的・技術的な面から検討を行うとともに,名古屋大学太陽地球環境研究所を中心とする国内体制,日・欧国際協力体制について討議を行った。 (3)名古屋大学太陽球地環境研究所が主催した公開シンポジウム「北極がらみた太陽と球地」を後援するとともに,北極ISレ-ダ計画等北極域研究の現状及び計画を発表した。
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