研究分担者 |
中筋 一弘 岡崎国立共同研究機構分子科学研究所, 教授 (60028230)
山口 兆 北海道大学, 理学部, 教授 (80029537)
小田 雅司 大阪大学, 理学部, 教授 (60004438)
杉本 豊成 京都大学, 工学部, 助教授 (30093256)
竹内 賢一 京都大学, 工学部, 教授 (50026358)
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研究概要 |
本研究は,有機化合物で分子素子を構想する際に,どの様な物質のどの様な機能を手掛りとし,そのためにはどの様な新物質を精密に分子設計しなければならないかを探索することを目的とした。 1.全体会議(平成2年7月1日京都)。班員が一同に会し,π電子およびσ電子の電荷の分布,移動,スピンの整列などの観点から,構造と物性の相関について広い意見交換を行なった。本年度の研究連絡の方策について計画を立案した。 2.電子の移動とスピン整列に関する分科会(8月24日岡崎)。演算および記録の機能の観点から重要な電子のモビリティ-とスピンについて,岩村をはじめとする班員8名が最新の研究成果と動行を報告し討論を行なった。いくつかの分子間相互作用の存在とその設計が重要である。 3.混合原子価と磁性に関する分科会(9月26日東京)。班員以外の講師3名をも招き,有機以外の分子性磁性体で分子設計がどう進んでおり有機分子はどこを特徴とするかと言う観点の理解を深めた。 4.高歪の電子および中性π電子系の分科会(11月22日大阪)。10数年前には想像もできなかったような新規な構造が実現されて来ている。これら新物質を作り捨てとならないよう,その物性をキャラクタライズする必要性が8名の話題提供者から論じられた。 5.研究のとりまとめ。研究成果と将来構想をレポ-トの形でとりまとめた。新しいπおよびσ電子系を精密に分子設計することは,有機化学の根幹であるばかりでなく,新物質を創出しその興味ある物性故に,新しい学際研究領域を拓いていくものであることが結論された。頭初予定された,新しい重点領域研究提案には,本年度は結びつかなかった。
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