研究分担者 |
三木 邦夫 東京工業大学資源化学研究所, 助教授 (10116105)
井上 祥平 東京大学, 工学部, 教授 (20010762)
国武 豊喜 九州大学, 工学部, 教授 (40037734)
二井 将光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50012646)
田隅 三生 東京大学, 理学部, 教授 (60011540)
|
研究概要 |
真核細胞の内部には多くの機能構造単位がある。細胞内小器官(オルガネラ)のうち,ミトコンドリア,クロロプラス等について生物科学的にそれらの機能を解析するとともに,高分子科学,特に膜に着目した研究成果を基礎とし,人工的にオルガネラを創造する方法を確立することが本研究の目的である。以上の目的について深く調査,研究を行ない,各研究分担者の研究成果を研究会を開催し,討論した。ここに研究会資料を添付する。また,広く上記の研究を多くの研究者と討論するために公開シンポジウムを開催し,100余名の参加を得て人工オルガネラ創造の研究動向をまとめることができた。シンポジウム講演資料も添付した。 以上の研究成果は次のように要約できる。 1.現状における膜タンパク質の研究動向は膜タンパク質の機能デザインを可能としつつある。 2.膜タンパク質の代替となりうる合成高分子の合成は可能であり,個々の膜タンパク質の機能・構造相関の知見をより深め,機能デザインの方向づけのための協同研究体制の確立が必要である。 3.膜タンパク質と人工膜からなる超分子集団の機能デザインには生物科学と高分子科学の研究者間の協同研究が不可欠である。 4.高分子・高分子,高分子・低分子の超分子集団の形成理論の確立,その実験的実証方法の確立は急がねばならない。 5.膜・タンパク系の機能評価,高次構造解析,形態学的解析の方法はほぼ確立しつつあり,1〜4項での研究成果を支えるためにこれらの研究グル-プを含めた研究体制の確立が急務である。 この討論結果をふまえ,平成3年2月に科学研究費補助金「重点領域研究」平成4年度発足の“超分子集団としての膜・タンパク系の機能デザイン"申請書をまとめ,文部省へ提出することが完了した。
|