研究概要 |
本研究は,蛋白質結晶構造解析に関する重点領域研究「蛋白質結晶解析の新展開」を申請するための準備調査を行うものである.その実施によりわが国における蛋白質結晶構造解析を質量共に充実し,広く生物科学・生物工学の発展に寄与することを目的としている.蛋白質結晶の構造解析は成功すれば,その信頼度と精度は他の手段の追随を許さないが,現在もまだその障壁は極めて高い.問題点は,結晶化条件の探索,大量の回折デ-タの迅速測定,構造決定と精密化,分子設計の能率化と信頼性の向上,などである. これらの問題点の現状と将来の予測を行うために,また,周辺分野の研究者,あるひは企業の研究者の意見も総合して,重点領域研究の具体的な研究計画を作製するために,2回の研究会を開いた. 「蛋白質結晶解析の自動化」第1回研究会(全体,公開),平成2年11月14ー15日,於高エネルギ-物理学研究所,研究発表者17名,その他参加者計45名.問題点の提起,解析,予測を行った. 「蛋白質結晶解析の自動化」第2回研究会(幹事会,非公開),平成3年1月30日,於大阪大学蛋白質研究所,研究発表者10名,問題点の整理と重点領域研究の計画作製を行った. さらに研究連絡を重ねて,4個の研究項目,A.結晶化法および重原子誘導体結晶作製のシステム化,B.回折強度測定法の研究,C.構造解析と精密化法の研究,D.立体構造形成原理の解明と解析への遺伝子工学の応用,からなる重点領域研究計画を作製した. 本総合研究の実施により,計画の作製だけではなく,実際の問題点の整理,解明に大きな成果を得た.
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