研究課題/領域番号 |
02354001
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研究種目 |
総合研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
遺伝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮田 隆 京都大学, 理学部, 教授 (20022692)
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研究分担者 |
高畑 尚之 遺伝学研究所, 助教授 (30124217)
宝来 聰 遺伝学研究所, 助手 (40126157)
植田 信太郎 東京大学, 理学部, 助教授 (20143357)
五條堀 孝 遺伝学研究所, 教授 (50162136)
長谷川 政美 統計数理研究所, 教授 (60011657)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 真正細菌 / 古細菌 / 真核生物 / 分子系統樹 / 最尤法 / ミトコンドリアDNA / 進化 |
研究概要 |
(1)現存する全生物は3つの超生物界、すなわち真正細菌、古細菌、真核生物に分類されることが認められているが、3者の系統関係はいぜん不明であった。その理由は、分子の比較から系統樹を推定する際、大元にあたる祖先(系統樹の根)が決定出来なかったからである。我々は先に3者の分岐以前に遺伝子重複によって生じたことが明らかな重複遺伝子を使って複合系統樹を推定し、古細菌は真正細菌よりもむしろ真核生物に近縁であることを明らかにした。今年度は、その後に発表されたATPア-ゼα鎖とβ鎖及び伸長因子EFーTuとGの多くの配列に基づいて、上記の結果を確認した。さらに、古細菌はイオウ細菌、メタン生産菌、好塩菌に大きく分類されるが、この3系統と真核生物の系統を含む4つの系統がほぼ同時に分岐したことも明らかにした。この結果は真核生物の起源を考える上で、古細菌の研究が非常に重要であることを示唆する。 (2)分子系統樹は本研究課題を進める上で理論的技術的基礎となる。従来種々の分子系統樹推定法が発表されているが、その中で最尤法が最も信頼性の高い方法とされてきた。しかしこの方法は塩基配列に対いてのみ適用可能であった。一方全生物の系統関係を問題にするような、非常に古い時代にまで辿るには塩基配列比較より、アミノ酸配列比較の方が適している。従って従来の最尤法をアミノ酸配列デ-タにも適用出来るように拡張することが急務であった。我々は、Dayhoffらによって決定されたアミノ酸間の置換頻度を利用することでこの問題を解決した。さらにこの方法を上記の古細菌の進化の問題に適用した。 (3)およそ5000年前に生存していたと考えられる縄文人の人骨からミトコンドリアDNAの一部を単離し、PCR法によってその塩基配列を決定することに成功した。
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