研究課題/領域番号 |
02402004
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 神戸大学 (1992-1993) 東京大学 (1990-1991) |
研究代表者 |
野崎 光昭 神戸大学, 理学部, 助教授 (10156193)
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研究分担者 |
井森 正敏 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (70011690)
山本 明 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (30113418)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
28,000千円 (直接経費: 28,000千円)
1993年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1992年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1991年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1990年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 宇宙線 / 反陽子 / 反ヘリウム / 超伝導スペクトロメータ / 反物質宇宙線 / 気球搭載測定器 / 宇宙起源反粒子 / ガーマ線点源 / ガンマ線点源 / 超伝導スペクトロメ-タ |
研究概要 |
大型の高性能超伝導スペクトロメータを用いた気球実験(BESS実験)により低エネルガ-宇宙線反陽子ならびに反ヘリウム原子核の探索を行った。二次的に生成される宇宙線反陽子のフラックスは衝突の運動学的制限から運動エネルギー1GeV以下の領域で急激に減少する。一方、超対称性粒子の対消滅や原子ブラックホールの蒸発によって生成される反陽子のエネルギースペクトルは比較的平坦である。従って1GeV以下の低エネルギー領域でこれらの新たな反陽子源の徴候は最も顕著に現れると予想される。 測定器システムは直径1mの薄肉超伝導ソレノイド、飛跡検出器として大型のジェットチェンバー及び円弧型のドリフトチェンバー4層を搭載し、最大約200GeV/cまでの運動量を測定することができる。粒子の種類を識別するためには飛行時間測定器を用い、運動量約1GeV/cまでの反陽子を識別することができる。 平成5年3月までに全測定器システムが完成し7月26日にNASAの大型気球で観測装置を高度36.5kmへ打ち上げ、約14時間の宇宙線観測に成功した。この間約400万例の宇宙線を観測し、測定器は無事回収された。 気球搭載超伝導スペクトロメータを用いた本研究の気球観測により世界で初めて低エネルギー反陽子の観測に成功した。運動エネルギーが300-500MeVの領域で4例の宇宙線反陽子が観測され、175-300MeVでは1例も検出されなかった。様々な検出効率の補正、バックグラウンドの評価を行い、反陽子/陽子比として以下の結果を得た。 P^^-/P=(1.2【.±。】0.7【.±。】0.2)×10^<-5> E=300-500MeV P^^-/P<2.9×10^<-5> E=175-300MeV この結果は宇宙線伝播モデルの予想と矛盾していないが、予想値には大きな誤差があ。今後本研究の成果を基に更に宇宙線反陽子の生成、伝播に関する研究が進められるであろう。
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