研究課題/領域番号 |
02402011
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
蟻川 達男 東京農工大学, 工学部, 教授 (90011543)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1991年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
|
キーワード | カイラル分子 / カイラリティの破れ / L型アミノ酸 / パリティの破れ / 弱電磁相互作用 / レ-ザ-フォトリシス / 陽電子ラジオリシス / パ-フェクトロン |
研究概要 |
本研究は、カイラル分子の光励起と散乱機構を詳細、且つ系統的に調べることにより、原始地球上で生体カイラル分子がどのように形成されていくのか、その原子素過程を探り、なぜ生体分子ではLアミノ酸のみに極端なカイラリティの偏りが起ったか、化学進化解明の糸口を探ることを最終目標に行なはれた。そのために必要な以下に述べる三つの新しい実験技術の開発を行った。 (1)パ-フェクトロンの改造:この装置は本研究の中心装置であり、報告者の考案による。分析器としては無収差で、しかも世界最高の明るさを持つ分子線散乱装置であり、イオン・トラップとしての性能も備えている。今回は、生体分子の化学進化数億年のシミュレ-ションを行うための新しいバイオリアクタ-として改造し、蓄積時間を長くするなどの技術開発を行なった。また、リアクタ-にアミノ酸ビ-ムを入射するための超音速パルス・ノズル源を開発し、パルス内における位置によるマッハ数の分布などを詳しく測定した。 (2)画像粒子分光器の開発:カイラル分子のフォトリシスを行なう場合、光分解したフラグメントの内部量子状態に対応させて、それらの速度分布や角度分布などを短時間内に精度よく測定しなくたはならない。本粒子分光器の開発によりそれらの測定が全て実現可能となった。また、この技術開発に関連して、超単色水素原子線による固体表面における回析実験も可能となり、固体表面での光学活性の偏りの起源を調べる配向実験も著しく有利となった。 (3)低速陽電子蓄積装置の開発:カイラル分子内における軌道電子のヘリシティは0にはならず、LとDとで僅かに符号の差をもつため、偏極陽電子を照射するとポジトロニウム生成に差を生ずる。本蓄積装置をパ-フェクトロンに設置して、陽電子ラジオリシスも実現可能となった。
|