研究課題/領域番号 |
02402019
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 栄一 東京工業大学, 理学部, 助教授 (40144779)
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研究分担者 |
中澤 清 東京工業大学, 理学部, 教授 (10025455)
田中 秀文 東京工業大学, 理学部, 助手 (80108191)
河野 長 東京工業大学, 理学部, 教授 (20011596)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
26,400千円 (直接経費: 26,400千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1990年度: 20,400千円 (直接経費: 20,400千円)
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キーワード | 超高圧 / マルチアンビル / 地球 / 惑星 / 高圧実験 / マントル / 核 / マグマ / 月 / 隕石 / マグマオーシャン / ペリドタイト / 高温高圧実験 / 惑星形成 / マルチアン.ビル |
研究概要 |
本研究費を用いて一軸加圧型超高圧発生装置(SPI-1000)を設計製作し、平成2年3月に東工大理学部に設置した。地球及び他の地球型惑星の形成過程とその後の内部進化の道筋を解明するために、SPI-1000を用いて以下の研究を行った。 (1)地球のマグマオーシャンの溶融分化過程を解明するためのペリドタイト(KLB-1)の高圧下での融解実験 (2)核とマントルの分離過程を解明するためのアレンデ隕石及びFe-Mg_2SiO_4-H_2系の高圧下での融解実験 (3)地球マントル深部での物質大循環を解明するための玄武岩(JB-1)の高圧下での融解実験 研究(1)については17GPaまでのリキダス・ソリダス及び固相液相すべての存在比を明らかにした。これに基づいてマグマオーシャン内部の結晶化作用、対流についての考察が世界各地の研究者により開始されている。我々はこの実験結果に基づき、マグマオーシャンからの月の分離の可能性について研究にとりかかっている。また、太古代の地球を特徴づけるコマチアイト溶岩の生成条件についても我々の実験結果に基づき定量的な検討がはじめて可能となった。 研究(2)については、FeHの融点を5〜10GPaまでの圧力範囲で求めることに初めて成功した。地球形成時の核分離に関して固体シリケイトの間を溶融FeHが浸透する可能性が我々の実験結果からは示唆される。地球中心核にFeO、FeSに加えてFeHが溶存しているのならば、外核の温度は従来の予想より1000℃以上低下する可能性がある。 研究(3)については従来の研究では無視されてきたアルカリ元素(特にK_2O)の挙動について詳細な解析を行った。この結果、K_2Oは約7万気圧以上の圧力下では普通のマントル構成鉱物である単斜輝石に固溶することが判った。地球内部の物質循環でアルカリ元素の挙動の解明を目指した新たな研究が始まりつつある。 研究(1)については英国王立学会、アメリカ地球物理学会などで招待講演を行った。その一部は1993年にPhil.Trans.Royal Soc.Londonから出版され、現在その続きをJ.Geophys.Res.に投稿準備中である。研究(2)及び(3)については現在その結果を取りまとめ中であり、1994年中にはNatureまたはScience誌に投稿する予定である。
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