研究課題/領域番号 |
02402029
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関根 泰次 東京大学, 工学部, 教授 (00010702)
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研究分担者 |
伊藤 春雄 東京大学, 工学部, 助手 (50010921)
小佐野 峰忠 東京大学, 工学部, 助手 (80107565)
横山 明彦 東京大学, 工学部, 助教授 (30174866)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
24,500千円 (直接経費: 24,500千円)
1991年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1990年度: 20,100千円 (直接経費: 20,100千円)
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キーワード | 人工知能 / 並列分散 / 協調 / 電力系統 / 運用制御 / 故障診断 / 因果ネット / ペトリネット / 故障 / 故障区間判定 / 因果ネットワ-ク / 階層型問題解決 |
研究概要 |
本研究は、従来の数値処理手法では解決の因難であった電力系統における運用制御操作問題に、並列分散協調型知識処理技術を適用し、問題解決の高速化、高信頼化を図るものである。送電線の過負荷解消切替操作問題と電力系統の故障区間判定問題を対象として、当初の計画通りに研究が進められ、以下に示すような研究成果が得られた。 (a)送電線の過負荷解消切替操作問題に対しては、オブジェクト指向処理システムをCommon Lisp言語によるソフトウェア上で実現した。大規模系統を対象に、単一プロセッサ上でシミュレ-ションを行い、分散協調型問題解決システムと階層型問題解決システム並びに集中型問題解決システムの並列処理の可能性を考慮した比較を行った。ここでは、系統内の負荷潮流分布を求める潮流計算を分割並列処理させている。その結果、潮流計算を分割並列処理化することにより、問題解決に必要な全処理時間を1/5〜1/10に短縮することができた。また、大規模系統をサブシステムに分割するには最適な分割数が存在し、処理時間と集中型問題解決システムで得られる最適解との比較結果により、分散協調型問題解決システムより階層型問題解決システムの方が優れているという知見を得た。加えて、プロセッサ間のデ-タ伝送時間も、大規模系統の分割の形態を決定する上で大きな影響を与えることが分かった。 (b)電力系統の故障区間判定問題に対しては、因果ネットワ-クによる故障区間判定エキスパ-トシステムをCommon Lisp言語を用いて開発した。保護リレ-と遮断器の動作情報と動作時刻を利用し、並列処理を想定することによって、従来型ル-ルベ-スのプロダクションシステムと比べ、処理速度の飛躍的な向上並びに判定結果の高信頼化が得られることが分かった。また、この時刻情報が欠落したり、誤っていた場合の対策も施すことによって、ロバストな推論システムを構築することが可能となった。更に、この推論過程を改善する方法として、因果ネットワ-クに代わりペトリネットを用いるシステムを検討し、推論知識を陽に表現でき、推論過程を簡単にでき、並列処理性にも優れていることが分かった。次に、生体系の自然淘汰の法則を模擬したGenetic Algorithmを本故障区間判定問題に適用し、処理速度並びに判定結果の妥当性の面から、本アルゴリズムの適用可能性を明らかにした。
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