配分額 *注記 |
33,000千円 (直接経費: 33,000千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1991年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1990年度: 20,300千円 (直接経費: 20,300千円)
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研究概要 |
筆者が以前提唱した脳の神経回路モデル“ネオコグニトロン"や“選択的注意のモデル"などの考え方に基づいた新しい視覚パターン認識システムの設計原理の確立を目指していくつかの研究を並行して進めた. 1.ネオコグニトロン 手書き英数字認識システムの設計を具体例として,新しい回路構造の導入と新しい学習方式の開発を進め,ネオコグニトロンのパターン認識能力と学習能力を向上させることに成功した. (1)エッジ抽出細胞の出力を用いて直線を抽出することによって,線の太さによらない直線抽出を可能にした. (2)折れ点抽出細胞を回路に組み込むことによって,学習能力と認識能力を大幅に向上させた. (3)C細胞層を2重化することによって不均一なぼかしを実現し,変形パターン認識能力を高めた. (4)受容野内部の感度分布を不均一にすることによって,抽出すべき特徴の形に順応して受容野の形を変化させたり,あるいは類似した特徴を弁別する能力を高めた. (5)従来の教師あり学習と同様の高いパターン認識能力を,従来よりも簡単な学習手続きによって実現することのできる新しい誤り訂正型学習手法(遠心性信号を利用した学習手法)を開発した. (6)競合学習に際して高い汎化能力を得るためには,特徴抽出細胞のしきい値を,学習時には認識時よりも高く設定すべきことを明らかにした.これは神経回路の競合学習全般に適用できる一般原理である. 2.選択的注意機構 英文筆記体続け文字の列を認識するシステムを実現した.このシステムは,選択的注意のモデルの基本回路に,サーチコントローラーや,注意の自動切り替え機構などを付加した構造を持っている.また,手書き漢字の認識や,顔の認識にも選択的注意機構が有効であることを示した.
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