研究課題/領域番号 |
02402037
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 拓宋 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (20016760)
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研究分担者 |
佐瀬 幹哉 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (20225907)
小杉 幸夫 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (30108237)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
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キーワード | 非破壊検査 / 非線形音響 / 応力計測 / 材料試験 |
研究概要 |
圧延や転造、溶接加工などによって製造される金属部品や材料の内部の残留応力は金属疲労や破壊の原因にもなるため強度設計を行う際の不確定要因として大きな問題となっている。本研究は金属材料中の音速応力に対して非直線的に変化することを利用して応力摂動を与えるためのポンプ波とそれによる音速の変化を検出するためのプロ-ブ用の超音波を組み合わせた系を構成し、その金属内部の応力状態の検査への応用を目的としていた。そのため、まず引張・圧縮試験機、新しく設計した大電力パルス電源などの必要な機器の調達を行い、主として応力摂動を与えるためのポンプ波の発生法について詳細な検討と製作を行った。この新しい系では金属表面に密着したコイルに最大値3000A、立ち上がり幅約5μsecの電流を流すことができ材料中に1Mpa程度で幅約7μsecの応力摂動波が発生できるようになった。また音速の変化を計測する系は50MHzの超音波を用いこれにDBM(ダブルバランスド・ミキサ-)を用いることで位相変化としてはダイナミックに0.01度の検出ができ応力摂動による音速変化を十分な精度で検出できるようになった。 これらを用いてまずi)音速の応力への非直線的な依存性をアルミニウム材について計測し,ii)これを3次までの非線形弾性係数を用いて表現することを試み、また、iv)この弾性係数を組み合わせた材料の特性を示す新しいパラメ-タを導入しこれが材料の状態を的確に表現していることを明らかにした。次に v)この特性は先のポンプ波とプロ-ブ波を用いた計測系で実測できることも明らかにし、vi)実際の材料についてこの系による計測結果をもとに特性化を試みた。最後に vii)この計測法の一つの応用例として材料内部の任意の着目領域での弾性変形の限界応力値の推定が可能であることを示し材料の破壊予知への一つの新しい方向を示した。
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