配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 26,000千円)
1993年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1992年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1991年度: 15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
1990年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
本研究では,高温構造材料として有力視されているTi-Al系金属間化合物の高温耐食性などに着目し,高温構造物への適用性向上に関する検討を行った。その結果得られた主な成果を以下に示す。 TiAl系金属間化合物の平滑材強度は熱処理により大きく変化する。すなわち,受け入れ状態では薄状にTi_3Alが析出しており,材料の異方性の効果も加わって,TiAl-Ti_3Al界面で脆弱になっており破壊強度は低い。熱処理により界面での合金元素の相互拡散と焼き鈍しの効果のために破壊強度と塑性変形能は回復する。しかし,更に高温で処理すると破壊強度は低下する。これは,Ti_3Al析出相の粒状化が進むとともに,回復と再結晶により凝固組織中にTiAlの単相の結晶が析出し,強度に対する二相効果が低下するためである。破壊靭性値に及ぼす熱処理効果については,1173K以上の熱処理温度で,K_c,CODともに低下し,明らかに脆化が認められる。破壊強度は熱処理に基づく組織変化に強く依存し,ラルソンミラーのパラメータにより強度の整理が可能である。1173K以下の温度範囲では酸化増量は僅かであるが,1273Kになると酸化増量は急増し,耐酸化性が急減する。酸化性の急増はTiAl母材とTiO_2+Al_2O_3の混合層間の酸化層の剥離によるものである。高温硫化腐食における腐食減量は熱処理温度が1073Kで最大となり,主に,粒界ならびに薄板状に析出したTi_3Alが腐食される。高温における酸化性を改善するにはセラミックス溶射が有功である。また,TiAlに窒素イオンを注入すると塩酸環境のような非酸化性酸中においても耐食性の改善が認められる。これは,窒素イオンの注入により表面層にTiNが形成され,それがセラミックスバリアの役割を果たし,結果としてTiAlの耐食性を向上させるものと考えられる。また,侵入固溶した窒素も耐食性の向上に有効であると考えられる。
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