研究課題/領域番号 |
02402051
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 能雅 東京大学, 薬学部, 教授 (30150014)
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研究分担者 |
中迫 雅由 東京大学, 薬学部, 助手 (30227764)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
24,500千円 (直接経費: 24,500千円)
1991年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1990年度: 22,200千円 (直接経費: 22,200千円)
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キーワード | 蛋白質結晶学 / 多波長異常分散法 / X線結晶構造解析 / X線回折強度測定法 / 免疫グロブリン / Fvフラグメント / シンクロトロン放射光 / 異常分散効果 / アミラ-セ阻害剤 / ダンシルリジン |
研究概要 |
波長可変で高強度のシンクロトロン放射光X線を活用する多波長異常分散法による蛋白質の直接かつ迅速な結晶構造解析システムの確立を目的とした本研究では、まず、高エネルギ-物理学研究所放射光実験施設の波長可変のX線分光装置と水平型四軸X線回折装置からなる測定系を改良した。研究で開発した検出器のデッドタイムの補正法や光学系のアライメント法を組み込んだこの測定系は、四軸回折計法と振動結晶写真法のいずれによる測定でも、任意の波長で極めて高い精度のX線回折強度デ-タを与え、公開共同利用に供されている。また、特性X線源の四軸ゴニオメ-タ測定装置に可搬式の結晶送風冷却装置を組み込んだ精密な強度デ-タ測定系を構築した。一方、多波長の波長可変デ-タを処理して位相決点を行う方法と計算機プログラムを開発し、構造精密化と位相拡大のプログラムと三次元コンピュ-タグラフィクスのプログラムを組み込み、多波長異常分散法の解析プログラムシステムを確立した。 本研究では、マウス抗ダンシルリジン免疫グロブリンIgG2aのFvフラグメントのネ-ティブ構造を決定し、抗原結合部位等の構造知見を得た。このダンシルリジンとの複合体結晶についても1.5Å分解能までの強度デ-タを得て解析を進めている。鉄と銅を導入したアミラ-ゼインヒビタ-結晶などについても異常分散原子の位置を決定して電子密度図を得ることができた。測定系と解析プログラムシステムの開発と評価では、酵素活性を有する鉄錯体の高スピンと低スピンの両状態の結晶構造と、アスパルテ-ム結晶の高水和型と低水和型の双方の結晶構造を解析することができた。本研究で確立し、公開している放射光利用の測定系と解析処理プログラムは、蛋白質をはじめとする広範な結晶構造研究への適用が可能となっている。
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