研究概要 |
1.収集資料について.19世紀から20世紀前半期の物理学諸分野の実験報告に関する文献資料の収集・整理を行った.(主要な雑誌Phil.Trans.,Phil.Mag.,Proc.Roy.Inst.,Pros.Roy.Soc.,Rev.Sci.Instr.,Ann.d.Phys.,Compt.Ren.,J.Phys.,Amer.J.Sci.,Sci.Amer.などについて,) 2.デ-タベ-スの構築について.実験報告の概要をはじめ,実験機器・装置の図版,過去に現地取材で撮影した実物の実験機器類の写真等を画像処理して,コンピュ-タに入力し,随時検索可能なシステムを試作した. 3.19世紀物理学の諸課題と実験,実験装置・機器について 【ケ-ススタディI】以下のようにケ-ススタディとしてまとめた. (1)T.Youngの光学研究(2)H.Davyの電気化学実験について(3)19世紀前半期における電池の発達について(4)化学的電子・分子概念の形成過程における「物理学的手法」の役割(5)19世紀の光学と「光合成」研究(6)W.Hugginsの天体分光学研究(7)J.N.Lockyerのスペクトル研究(8)A.A.Michelsonの光速度測定技術について(9)H.A.Rowlandの帯電円板の磁気効果について(10)M.Curieの電気補償法実験について 4.実験,実験装置・機器と社会的基盤について. 【ケ-ススタディII】以下のようにケ-ススタディとしてまとめた. (1)J.Henryの電磁石研究の特徴について(2)Wheatstoneによる低抗測定法と低抗概念(3)海底通信と電磁気学〜Kelvinを中心に〜(4)電気の単位と電気標準委員会の活動について(5)19世紀における温度計測技術について(6)19世紀の計算機械をめぐって(7)「光電効果」とHertz役割(8)初期「半導体」現象の研究〜F.Braunを中心に〜(9)Kamerlingh Onnesのヘリウム液化装置についての一考察 5.成果の公表 第三次配分で研究期間が大幅に圧縮されたため,史料収集とその解析に全力をあげた.また画像処理の圧縮技術は予算上出来なかったが,上述の論文作成のためのシステムは試作できた.したがって『研究成果報告書』(約360貢)はこれによって書かれている.
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