研究課題/領域番号 |
02403003
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
桑田 敬治 大阪大学, 理学部, 教授 (50028099)
|
研究分担者 |
村井 久雄 大阪大学, 理学部, 助手 (50142261)
蒲池 幹治 大阪大学, 理学部, 教授 (40028163)
笠井 俊夫 大阪大学, 理学部, 講師 (20152613)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1990年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
|
キーワード | パルスFT-ESR / 常磁性中間体 / 反応動力学的過程 / 分子動力学的過程 / 短寿命反応中間体 / 電子スピン緩和 / 動的スピン分極 / ラジカル対 / パルスFTーESR / スピン分極の移動 / 短寿命中間体 / 励起三重項状態 / 磁場効果 / 電子スピン緩和時間 / CIDEP / 光化学反応中間体 / ラジカルイオン対 / 溶媒和電子 / 光解離反応中間体 |
研究概要 |
化学反応における短寿命中間体の反応動力学的および分子動力学的研究を行なう目的で平成2年度に試作したパルスFT-ESR装置を使用し、引き続き平成4年度において、光還元反応と光酸化反応の中間状態およびスピンダイナミックスに関する研究を行なった。また光重合反応の開始過程の反応動力学的および分子動力学的研究を行ない、以下の成果を得た。1.無水マレイン酸の光増感還元における「化学的に誘起された電子スピンの動的分極」(CIDEP)の時間分解ESRを観測し、無水マレイン酸より生成するラジカルのスピン分極が、新しいST_<-1>混合機構によることを見出した。さらにこの反応について電子供与体と溶媒の種類を変えてスピン分極の変化を観測し、反応機構の解明を行なった。2.種々の重合開始剤の光分解による活性ラジカル末端の構造ならびに種々のビニールモノマーとの反応速度の決定を行なった。さらに、モノマーへ開始剤ラジカルの付加した重合開始ラジカルの観測に初めて成功し、重合開始機構を明らかにすることができた。3.SDSミセル中の準安定ラジカル対の時間分解ESR法による研究を行ない、ラジカル対の減衰速度に及ぼす磁場効果を解明するため、統計力学的理論計算により観測結果の解析を行なった。4.ベンゾフェノンのアルコール溶液の光化学反応中間体であるケチルラジカルとアルコールラジカルについて、パルスFT-ESR法により電子スピン緩和過程の研究を行ない、反応機構およびスピンダイナミックスに関する種々の新しい知見を得た。5.p-キノン誘導体のアルカリ金属による還元において生成するラジカルアニオンとカチオンのイオン対について、アニオンと中性分子の間の電子移動過程および電子スピン交換過程をパルスFT-ESR法を用いて詳細に検討し、これらの分子動力学的過程の研究にパルスFT-ESR法が大変有用であることを示した。
|