研究課題/領域番号 |
02403004
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前田 悠 九州大学, 理学部, 教授 (20022626)
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研究分担者 |
佐々木 茂男 九州大学, 理学部, 助手 (30225867)
甲斐原 梢 九州大学, 理学部, 助手 (90080564)
中原 辰雄 九州大学, 理学部, 助手 (20037211)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1990年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
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キーワード | 蛋白質-界面活性剤相互作用 / 蛋白質の不可逆会合 / 混合ミセルの会合数 / 混合ミセルの安定性 / イオン性ゲルの膨潤 / ドデシルジメチルアミンオキシド / オレイン酸 / 水素イオン滴定 / 混合ミセル / 水素結合 / 光散乱 / 蛍光プローブ法 / チトクロームc / ポリアクリル酸ゲル / 疎水相互作用 / 球状蛋白質の安定性 / 変性蛋白質の不可逆会合 / 高分子イオンゲルの膨潤 / 単分散ポリペプチドの結晶化 / 両親媒性物質 / オイレン酸 / イオン性ゲル |
研究概要 |
1.二つの蛋白質についてのみではあるが、非イオン性界面活性剤が解けた蛋白質に協同的に結合することを初めて見いだした。また協同結合の開始濃度を用いて疎水性の定量的尺度を定義出来た。この研究では解けた蛋白質の不可逆会合が見いだされ、それを説明するモデルを提出した。このモデルは他の場合の不可逆変性会合体(熱変性による凝固体、inclusion bodyなど)の理解にも有効であろう。 2.ドデシルジメチルアミンオキシドを用いたイオン性/非イオン性混合ミセルは両成分が1:1に近い組成のところで、cmcは最小になり、会合数は最大になる。また、高イオン強度下では、同一炭化水素鎖を持つイオン種の方が非イオン種よりもcmcが小さいという結果を得た。これは初めての報告と思われる。イオン性/非イオン性混合ミセルの安定性について、従来の正則溶液論の方法を包括し、より多くの情報を引き出すことが可能な簡単な理論を展開した。会合数決定のための蛍光プローブ法については動的・静的光散乱の結果と比較することにより、その問題点を指摘した。 3.オレイン酸についても、イオン性/非イオン性混合系の性質を調べた。脂肪酸セッケンの不均一系の水素イオン滴定として、初めて可逆的な滴定曲線を得ることに成功した。Krafft点以下の温度における準安定なミセルの自由エネルギーを滴定曲線のヒステレシスの熱力学的解析により決定した。 4.イオン性ゲルの膨潤挙動については理論面、応用面ともに活発に研究されている。従来の考え方によると、ゲル網目の弾性力、小イオンのドナン浸透圧、ゲル骨格成分と溶媒の混合エントロピーが主要な役割を果たすとされている。しかし、混合エントロピーについては、堅いゲル骨格の場合には溶媒と混合しないと考えられることを示した。我々は、ドナン浸透圧に対しては対イオン凝縮を、ゲル骨格の拡がりの性質に対しては静電持続長あるいはFlory exponentを考慮した新しい理論を展開した。ポリアクリル酸ゲルなどに適用して興味ある結果を得ている。
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