研究課題/領域番号 |
02403009
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 仁美 京都大学, 理学部, 教授 (50025342)
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研究分担者 |
田中 和彦 京都大学, 理学部, 助手 (00025446)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
34,500千円 (直接経費: 34,500千円)
1992年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1990年度: 28,500千円 (直接経費: 28,500千円)
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キーワード | 有機ビスマス化合物 / キラリティー / 隣接基効果 / テルル化ナトリウム / カップリング / アジド / 還元 / トリアゾール / 亜テルル酸 / チオ-ル / 酸化 / 光学分割 / 置換基効果 / イリド / イミン / X線結晶構造解析 |
研究概要 |
ビスマスやテルルに代表される重いヘテロ元素は金属と非金属の接点に位置しており、これらから導かれる化合物は有機反応において、より軽い同族のヘテロ元素とは異なる特殊な挙動を示すことが多く、特に官能基選択性の高い反応を穏やかな条件下で行ないやすいという特徴を有している。本年度は配位性官能基をもつトリアリールビスムチンやビスミン誘導体、有機ビスマスジアジドおよびテルル化ナトリウムについてその化学性を検討し、多くの有意義な成果を得た。両オルト位にアルコキシ基をもつトリアリールビスムチンは異常に高い求核性を有し、α-水素をもつカルボン酸のみを室温でアルコールやアミンと速やかに縮合させるが、この特異な選択性がケテンの発生に由来することを明らかにした。また隣接位にスルホン基をもつビスムチンではスルホニル酸素-ビスマス間の相互作用による特殊な安定化と立体配置の固定化が起こり、ビスマス原子上にキラリティーの発現がみられることを発見、この原理を利用して最も重いキラル中心をもつトリアリールビスムチンを安定な分子種として合成することに成功した。この安定化要因に基いた造影剤としての可能性をもつ、非イオン系水溶性ビスムチンの合成アプローチも有望な展開を期している。極性非プロトン溶媒中でテルルアニオン種が反応条件の微妙な相違に応じてヒドリドまたは電子ドナーとして多彩な反応性を示すことに着目し、スルホニルおよびカルボニル化合物の還元または還元二量化、スルホキシドの還元開裂、ニトリルの三量化によるデアザプリンの生成などの新しいタイプの反応の開発に成功した。スルホキシドの還元開裂を利用した新規な不斉合成法を現在検討中である。
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