配分額 *注記 |
32,100千円 (直接経費: 32,100千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1990年度: 22,100千円 (直接経費: 22,100千円)
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研究概要 |
本研究は,極めて複雑な構造をもつマクロリド,ポリエーテル抗生物質などの選択的効率的合成のための方法論を開発し,現代精密有機合成化学の進歩に寄与し,さらに次代の創薬への合成化学的基盤の向上を目指したものである。4年間の研究により,以下に概要を示す5研究項目で成果を上げることができ,当初の目的に達しえたと考えられる。 1.マクロリド合成:NMRの精密測定とMM2-CONFLEX3計算によるセコ酸のコンホメーション解析とDMAPによる活性化による超効率ラクトン化法を開発し,エリスロノリドAの合成を行った。また16員環ラクトンのコンホメーション解析と制御によるカルボノリド,ロイコノリド,マリドノリドなどの立体選択的合成を完成した。 2.ポリエーテル合成:イソラサロシド,ラサロシド,サリノマイシン,リソセリンなどの立体選択的合成法を確立した。 3.ポリエーテルマクロリド合成:海洋産のハリコンドリンBの4つのフラグメントをそれぞれ立体選択的に合成し,フラグメント間の縮合を検討中であり,近い将来に合成が完了する。 4.不斉ラジカル環化反応:ルイス酸存在下,アセチレンとα,β-不飽和エステルとの間の不斉ラジカル環化反応を開発し,これにより光学活性5員環,6員環化合物の合成を行った。不斉ラジカル反応は新しい研究領域といえる。 5.ヘテロジールスアルダー反応:トシルイミンとジエンの光学活性誘導体間のジールスアルダー反応により不斉のジヒドロピリジン誘導体を1工程で合成する方法を開発し,ポリアミンアルカロイドのカンナビサチビンの全合成を行った。
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