研究課題/領域番号 |
02403028
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
結晶学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庄野 安彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80013481)
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研究分担者 |
菊地 昌枝 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00005951)
藤永 保夫 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70005924)
草場 啓治 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60186385)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
23,500千円 (直接経費: 23,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
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キーワード | X線回析 / 超高圧 / 相転移 / 圧縮率 / SrF_2 / キュ-ビックアンビルプレス / 酸化物 / 結晶化学 / 高圧実験 / X線回折 / 結晶構造 / ルチル / フルオライト / 金ーゲルマニウム合金 / 銀ーゲルマニウム合金 |
研究概要 |
無機化合物の超高圧における相転移の研究は結晶化学的にも興味ある主題であり、又新物質合成の有力な手段でもある。圧力誘起相転移はクエンチ法によっても調べられるが、高圧相が不安定で、相転移が可逆な場合は、高温高圧下のX線解析により直接その結晶構造や圧縮率、相安定関係などを調べる必要がある。本研究で用いた強力X線源(ロ-タ-対陰極、12kW,金の白色X線)と固体素子検出器(SSD、2048チャンネル、26ー27eV/チャンネル)との組合せによるエネルギ-分散法による高圧下のX線解析システムは、上記の目的に最も適している。超高圧力の発生はキュ-ビックアンビル型250トンプレスを用い、6mm^3の空間に8GPaまでの圧力下で、X線解析実験を行った。X線源、SSDを搭載したゴニオメ-タは共通架台上にあり、光学系の調整を容易にした。SSD汎用ソフトの採用により、実験および解析の簡便化と、測定時間の短縮化を図っている。圧力標準として用いられるNaClの回析線のd値は0.1%の誤差範囲で測定でき、発生圧力を0.1GPaの精度で決定できる。KClのB1ーB2転移を室温で測定し、転移圧2.1GPa、体積減少13%の値を得た。又B1およびB2相の圧縮曲線を求め、体積弾性率としてそれぞれ18.2±0.2および21.5±1.1GPaを得た。これらの値は従来の報告と実験精度内で良く一致する。さらにSrF_2の蛍石ーPbCl_2型相転移を調べ、5.8GPaから相転移が起り、6.8GPaで高圧相のみとなること、圧力解放過程では1.7GPaまで高圧相が安定に保持され、大きなヒステリシスを示すことを明らかにした。これらの実験結果は、この相転移がマルテンサイト類似の機構で起る1次相転移で、圧媒体に由来する静水圧性に強く依存することを示す。このシステムは、可逆な構造相転移をはじめとした無機化合物の高圧下の結晶化学的研究に広く用いられることが期待される。
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