研究課題/領域番号 |
02404016
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
沼知 健一 (沼地 健一) 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30013569)
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研究分担者 |
小林 敬典 東京大学海洋研究所, 助手 (70205467)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
1992年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1991年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1990年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | ミトコンドリヤDNA / 人工種苗放流 / 切断型分析 / Dループ領域 / ジゴギシゲニンELISA法 / 集団分析 / 遺伝的標識 / アユ / mtDNA / 移植 / 人工継代系統 |
研究概要 |
1.先にジゴギシゲニンELISA法で標識したシロサケ・ミトコンドリヤDNAをプローブとするサザンハイブリタリゼーション法により、50〜100mg程度の筋肉などの組織でDNAの切断型分析を可能にした。 2.さらに一般に変異生が高いことで知られるミトコンドリヤDNA(mtDNA)のDループ領域をPCR法で増幅することに成功した。これによって1mg以下の組織を使って切断型分析が可能になって、0.8mg程度の卵やふ化直後の仔魚のDNA型分析ができるようになったばかりでなく、DNAの抽出を始めとする全分析過程が簡易、短時間で行えるようになり、多数個体の分析を必要とする集団分析がきわめて容易になった。 3.多摩川、江戸川、相模川、北上川に遡上した稚アユはmtDNA全ゲノムを5種類の6塩基対認制限酵素で切断した型でも、Dループを5種類の4塩基対認酵素で切断した型分析でも、遺伝子型組成に統計的有意差はなく、これらは湘南港で採集した標本群とも有意差がなく、河川に遡上して来る海産アユは海を通じて互いにある程度混合し、河川集団間の遺伝的分化は小さいとが示された。しかし一方これらの河川の集団はいずれも琵琶湖産アユとは全mtDNAおよびDループの型組成も統計的に有意に異なっていた。これらの河川には毎年遡上アユの10倍以上の湖産アユが放流されている。これらが河川で繁殖すれば遺伝的組成は1代で湖産のそれに近くなると数値的に期待されるから、湖産アユは河川では繁殖していないことが重ねて明瞭になった。 4.Dループ領域内の集団内、集団間の変異量は全mtDNA領域の3.4倍、3.7倍もあり、集団研究および遺伝的標識としてDループ領域のPCRによる増幅と4塩基対切断による型分析が有用であることを示した。
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