研究課題/領域番号 |
02404022
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
赤池 紀生 東北大学, 医学部, 教授 (30040182)
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研究分担者 |
徳冨 直史 東北大学, 医学部, 助手 (30227582)
中江 俊夫 東北大学, 医学部, 助手 (20155659)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1991年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | ラット海馬CA1領域 / 急性単離錐体細胞 / テトロドトキシン感受性カルシウム電流 / 2価陽イオン透過性 / スコ-ピオントキシン / 脳内分布 / キネテイクス / リグノカイン(リドカイン) / ラット / 海馬CA1領域 / TTX感受性Ca電流 / 単離錐体細胞 / 電気生理学 |
研究概要 |
脳虚血後の中枢神経細胞死には細胞内へのカルシウムイオン(Ca^<2+>)の異常な多量流入が深く関与している。本研究の目的は脳虚血に脆弱性をもつ海馬CA1領域の錐体細胞に局在する、我々が新しく発見したテトロドトキシン(TTX)感受性カルシウム電流(TTXーIo_a)の生理・薬理学的性質を解明することにあった。以下に得られた結果を示す。 1.ラット急性単離海馬CA1錐体細胞においてT、NおよびL型Ca電流と異なるTTXーIc_aを発見した。 2.TTXーIc_aの活性化、不活性化は膜電位に強く依存し、特に不活性化は膜電位に対して2つの指数関数でフィットされた。本チャンネルの活性化は約ー55mVから始まりー30mVで最も大となった。 3.TTXーIc_aのピ-ク電流は細胞外のCa^<2+>濃度の増加につれて直線的に増加した。 4.TTXーIc_aに関与するチャンネルを通過する2価陽イオンの通りやすさの順ははCa^<2+>、Sr^<2+>で、これらのピ-ク電流の大きさの比は1:0.33:0.05であった。しかし全ての電流のkineticsは非常に類似していた。 5.TTXはTTXーIc_aのkineticsを変えることなく時間かつ用量依存性にこの電流を抑制した。TTXおよびLignocaineのTTXーIc_aに対するIC_<50>値はそれぞれ3.5×10^<ー9>Mと3.6×10^<ー4>Mであった。 6.サソリ毒素はTTXーIc_aの不活性化過程を用量、時間依存性に延長した。 7.TTXーIc_aを持つ錐体細胞はCA1領域内の背側部において密に、腹側部に移行するのに従って次第に疎となる不均一分布を示した。この分布は脳虚血に対し脆弱な錐体細胞の分布と全く一致した。この結果から、脳虚血による神経細胞の脆弱性にTTXーIc_aの生理機能の変動が深くかかわりあっていることが示唆された。
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