研究課題/領域番号 |
02404023
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
小野 武年 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50019577)
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研究分担者 |
村本 健一郎 金沢大学, 工学部・電気情報工学科, 助教授 (70042835)
田村 了以 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (60227296)
西条 寿夫 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (00189284)
福田 正治 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (60126547)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1991年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | サル / 海馬体 / 単一ニュ-ロン活動 / 記憶 / 場所 / 脳虚血 / 虚血性変化 / CA1錐体細胞 / 虚血性壊死 |
研究概要 |
サルを用いて、海馬体における認知記憶ニュ-ロンの同定、分類、局在、情報処理様式(研究1)、およびこれらニュ-ロンの虚血性壊死と記憶障害の発生機構(研究2)について解析した。 研究1:最近、われわれが開発した特殊駆動装置(サル用の一種の自動車:キャブ)を用いて(1)視覚刺激(各種物体呈示装置による報酬、嫌悪または新奇物体の呈示)の識別および逆転学習課題、および(2)手掛かり刺激(種々の食物やジュ-ス、水、および電気ショックを意味する白色、赤色および茶色円柱)を認知してレバ-押しによりキャブを前後左右に移動させる居場所移動学習課題に対するサル海馬体ニュ-ロンの応答について解析した。(1)の課題では、総数1911個、(2)の課題では、総数258個の海馬体ニュ-ロン活動を記録した。その結果、海馬体には、1)過去の経験に基づき、物体を報酬性、嫌悪性、および新奇性の生物学的意味により分類して記憶するニュ-ロン、2)自己の居場所と外界刺激との位置関係を自己中心的および外界中心的座標でコ-ドする空間認知記憶ニュ-ロン、3)自己の居場所をコ-ドする場所ニュ-ロン、および4)1ー3)の種々の組み合わせによる連合記憶ニュ-ロンが存在することを明らかにした。 研究2:脳虚血によるサル海馬体神経細胞の選択的破壊サル(モデル動物)の作製、およびこのモデル動物を用いて記憶障害の発生機構および予防法や治療法について研究した。その結果、1)海馬体CA1領域の選択的破壊を起こすには、両側の外頸、内頸、総頸、および椎骨動脈の計8動脈を閉塞して13ー15分間血流を遮断することが必要条件である、2)これらの脳虚血サルでは、陳述記憶は障害されないが、手順記憶が障害され、ヒトの健忘症の動物モデルになる、および3)Ca拮抗剤の投与により海馬体CA1領域の神経細胞壊死をほぼ阻止できることが明らかとなった。
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