研究課題/領域番号 |
02404058
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
竹内 一夫 (1992-1993) 杏林大学, 医学部, 教授 (80086462)
星野 孝夫 (1990-1991) 杏林大学, 医学部, 教授 (90010165)
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研究分担者 |
佐和 弘基 杏林大学, 医学部, 助手 (80135912)
渡辺 卓 杏林大学, 医学部, 講師 (00191768)
松田 宗男 杏林大学, 医学部, 助教授 (30190482)
永松 信哉 (永松 信也) 杏林大学, 医学部, 助教授 (80231489)
前田 達浩 杏林大学, 医学部, 講師 (50210993)
小松 明男 杏林大学, 医学部, 助教授 (20225569)
内ケ崎 新也 杏林大学, 医学部, 講師 (80146547)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
32,500千円 (直接経費: 32,500千円)
1993年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1992年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1991年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1990年度: 15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
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キーワード | 成長解析 / 脳腫瘍 / 癌抑制遺伝子 / 糖輸送担体 / Histone / ヌクレオリン / 細胞-細胞接着蛋白質 / MIB-1 / モノクロ-ナル抗体 / 細胞細胞接着蛋白質 / がん抑制遺伝子 / 成長因子 / 細胞細胞接着蛋白 / ガン抑制遺伝子 |
研究概要 |
1.成長解析学的検討 BudRによる標識を行った脳腫瘍は、すでに50例を越える。BudR、IndRによる二重標識によるS期時間の測定、理論的倍化時間、growth fractionや細胞世代時間について次のことが判明した。悪性グリオーマでは、Ts:平均9時間、Tp:平均70時間、転移性脳腫瘍では、Ts:平均14時間、TP:平均72時間と計算された。9例のgliomaの解析から、細胞世代時間は、48時間以内と推論された。これらの情報を基に患者の年齢、組織診断、BudR標識率を統計学的に解析すると膠芽腫、悪性星細胞腫群と星細胞腫の生物学的増殖様式に違いがみられ、さらに分化型の星細胞腫では増殖相、非増殖相の相互の移行が乏しいという推論がなされた。他に、増殖能評価のための新たな方法論の開発がされ、1)Histone c-RNAプローベによるin situ hybridizationによる増殖細胞同定法 2)ヌクレオリン抗体の作製及び応用 3)Ki-67抗原を認識するMIB-1抗体を用いた簡便な染色法の開発が行われた。これらの新しい方法によって、より簡便に、より正確に患者の脳腫瘍の増殖能を評価することが可能になり、さらに検討がすすめられている。 2.癌抑制遺伝子P-53のgliomaでの欠落を、PCR-RFLP法によって解析した。約100人の白血球DNAの検討から、exon4部に、ヘテロ型を示す例が40%にみられた。この方法により、全脳腫瘍の48%に、P-53遺伝子の欠落を証明した。 3.脳腫瘍における糖輸送担体の発現について検討がなされた。星膠、膠芽細胞腫では、Isoform 1と3が主に発現し、従来脳には存在しないと考えられていた、Isoform 4のこれらの腫瘍での発現が明かとなった。さらに、C6グリオーマ細胞を用いた研究から、腫瘍の増殖能と、糖輸送担体の発現に密接な関係のあることが示された。 4.K3蛋白質、C-CAM共に、脳血液関門形成に重要な役割を果たすことがわかった。K3は、ラット脳血管内皮のtight junctionに局在し、C-CAMは、胎生期中枢神経の血管形成の上で、内皮と周皮細胞の接着を制御していることがわかった。さらに、C-CAMに対する単クローン抗体の作製に成功し、分子細胞生物学的研究がすすんでいる。
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