研究概要 |
創内型骨外固定器として動物用に使用するプレ-ト及び対照用プレ-トを作製し,動物実験に先立ちこの2つのプレ-トの力学的特性につき測定を行った。万能試験機にてアクリルチュ-ブで構成される骨折接合モデルに両プレ-トを装着した試験片を使い三点曲げ試験を行った結果両者に大きな差のないことが判明した。この結果より,これら2つのプレ-トは骨折部固定に使用した場合は,ほぼ同じような力学的特性を有することが明らかとなった。動物実験では日本白色家兎の脛骨に骨膜を温存したまま骨折を作製し,これを上記プレ-トで固定し,以下に述べる方法にて骨癒合を評価した。術直後,1,3,6カ月後に軟X線撮影し,術後1カ月にて血管造影,術後3カ月,6カ月にて力学的試験,硬組織標本による骨形態計測,酵素染色標本作製を行った。 これらの評価の結果以下に述べる新たな知見が得られた。まず我々の作製したプレ-トの力学的特性については、スクリュウ穴周囲の桁によってプレ-ト剛性が高まり、プレ-ト自体の厚さを減じることが可能であることが示唆された。一方動物実験では、術後早期から我々の作製したプレ-トは対照用プレ-トを使用した場合に比べ、プレ-ト直下の骨形成が良好で、骨皮質の萎縮は少いことが観察された。また曲げ剛性も有意に対照用よりも高くなることは確認された。 以上の結果をもとにして現在は引き結き臨床応用に向けて人体に適合した大きさ、強度、形態を更に検討しつつ、人体用創内型骨外固定器を試作中である。
|