研究課題/領域番号 |
02404079
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
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研究分担者 |
福井 哲也 京都大学, 薬学部, 助教授 (90111971)
八浪 公夫 Kyoto University,Physiological Chemistry Instructor (30191141)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
23,300千円 (直接経費: 23,300千円)
1992年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1991年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1990年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
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キーワード | 肥満細胞 / 炎症細胞 / ヒスタミン合成 / 内皮細胞 / プロスタグランジン類 / プロスタグランジンE_2サブタイプ / プロスタグランジンE_2受容体 / プロスタグランジンI_2 / プロスタグランジン / プロスタサイクリン / プロスタグランジンE_2 / MARCS蛋白 / ヘムオシゲナーゼ / △^<12>-PGJ_2 / ヒスタミン / ヒスチジン脱炭酸酵素 / トロンビン / プロテインキナ-ゼC / サイクリックAMP / 血管内皮細胞 / 炎症 / プロスタグランジンD_2 / プロスタグランジンレセプタ- / FGF |
研究概要 |
各年度の研究計画に従い、肥満細胞と他炎症関与細胞間の制御因子の作用機構に関して以下の新しい成果を得た。 1.肥満細胞でのヒスタミン産生機能の制御:(1)癌化肥満細胞のL-histidine decarboxylaseを精製し、その遺伝子cDNAをクローニングし、酵素の構造と機能を解明した。(2)酵素とそのmRNAの生合成は、グルココルチコイドとC-キナーゼ、Ca^<2+>とcAMPの独立する2系の制御を発見し機構を解析した。(3)遺伝子組換え体の実験等から、酵素の不活性前駆体の存在とプロセッシングによる活性体への変換を発見した。 2.肥満細胞と血管内皮細胞、血小板との機能相関:(1)肥満細胞から分泌されるPGD_2は△ ^<12>-PGJ_2に変換し、血管内皮細胞に作用して、ヘモグロビン代謝に重要なhemeoxygenaseの遺伝子を活性化して、酵素誘導を促進する。(2)血管内皮細胞のPGI_2の、血小板、肥満細胞での作用は、特異的な受容体-Gs-アデニル酸シクラーゼ系の活性化、細胞内cAMPの生成により行われる機構を再構成系等で解析した。(3)PGI_2によるcAMPは、肥満細胞の異なるヒスタミン分泌刺激情報である、トロンビンとATPによる細胞内遊離Ca^<2+>の増大変化に対して、前者を抑制的に、後者を促進的に制御し、これはPGI_2作用の多様性を起こすことを示唆した。(4)細胞膜PGI_2受容体を、特異的な光親和性放射能標識誘導体を合成し、初めて同定した。 3.肥満細胞等のPGE_2受容体サブタイプの同定と機能制御:(1)癌化肥満細胞の二種類のPGE_2受容体サブタイプ、EP_2、EP_3の遺伝子cDNAを初めてクローニングし、その一次構造を解析し、受容体を介する細胞機能の発現を解析した。(2)PGE_2のEP_3サブタイプに、alternative splicingにより生成するC-末端ベプチド構造のみが異なる亜型の存在を発見し、それにより、アゴニスト親和性、G蛋白共役様式、アゴニスト刺激に対する細胞脱感作様式等に違いを起こし、生理変化に寄与することを解明した。
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