配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
1992年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1991年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1990年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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研究概要 |
蛋白質の膜透過には,膜内在性因子SecY,SecE等が複合体を形成して機能を果たしていると考えられる.多数の分泌欠損secY変異を分離し,その表現型,塩基配列変化を決定した.またSecYの優性欠損変異を同定し,その解析から細胞質領域C5を中心としたC末端側にSecY活性に重要な部位があることを提唱した.優性欠損効果を打ち消すような遺伝子内抑制変異の分離・解析などから他の因子との相互作用に関わる部位がSecYの中央部位のC4からTM7にかけての領域に存在する事を示唆した.相互作用領域にマップされるミスセンス変異secY24はSecEとの相互作用を弱めるものである事を示した.またSecD,SecF,およびその上流に存在するORF12の過剰発現によりsecY変異株の表現型が影響を受け,ORF12にはSecE同様の過剰のSecY安定化効果および以優性欠損secY変異に対するサプレッション効果があった.優性欠損変異に対するマルチコピーサプレッションの解析により新しい遺伝子ydrの産物がSecYと相互作用を持つ事を示唆した.更に,secY24変異株中でydrの過剰発現が著しい分泌と増殖阻害をもたらすこと,ydrの同時過剰生産により過剰生産SecYが安定化されることを見いだした.Ydrは181アミノ酸残基よりなる親水性タンパク質であり,C末端が両親媒性αヘリックスをとり得ること,ゆるやかに膜に結合していることを示した.過剰SecYの迅速な分解により細胞内において安定なSecY複合体の存在量が一定に保たれていることを示した. 以上の研究と並行した膜蛋白質の膜へのアンカリング効率が低下した変異株を分離し,その解析からftsH遺伝子産物が膜蛋白質の正常な膜組み込みや蛋白質膜透過自体にも役割を持つ事を明らかにした.
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