研究課題/領域番号 |
02451006
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美学
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
裾分 一弘 学習院大学, 文学部, 教授 (50080370)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | レオナルド / 「絵画論」 / 「ウルビノ稿本」 / フランチェスコ・メルツィ / 手稿 / イタリア・ルネサンス / 芸術思想 / 絵画技法 / 「ウルビノ」稿本 / ウルビノ稿本 / 美術史 / 芸術思想史 / 年稿 / 素描・素画 |
研究概要 |
平成2年度以降3ヶ年の科学研究費補助金の助成を得て行われた研究は、レオナルドの「絵画論(Trattato della Pittura)」と呼ばれている「ウルビノ稿本(Codx Urbinas Latinus 1270)」が、内容・形式共に、レオナルドの著作としての信憑性を確保し得る写本であるか否かの問題を、総合的に、再点検することにあった。 「ウルビノ稿本」は、今日ヴァテイカンの教皇図書館(La Biblioteca Apostolica Vaticana)に収蔵される約330紙葉の写本である。ドクメントおよび書体から、レオナルドの弟子フランチェスコ・メルツィFrancesco Melzi,1493-1570)の編集・手写による絵画制作の教本、というのが今日の通説である。問題は、その編集・手写が果たしてレオナルドの意図に添い、精密・厳格に行われたか否かにある。 私は、先ず稿本に挿入されている図形のうち、現存手稿と照合される160点について、相互を点検・精査することにより、挿図に関する限り「ウルビノ稿本」の信憑性は保証されるとの結論を得た。 同じ意図と方法により、「ウルビノ稿本」の文節と原手稿との間の照合を行うことが本研究の目的であった。 結論的にいえば、もとより手写に際しての改行のミス、あるいはその他のミスがないわけではないが、「ウルビノ稿本」は、レオナルドの意図に添い、レオナルドの原手稿から、遂語的に手写された貴重な写本であり、レオナルド自身による教本と考えて差支えない、というのが、本研究の成果である。 写本と原手稿との文節上の照合に関しては、再度精査して遺漏なきを期したのち、「ウルビノ稿本」のファクシミリと日本語訳および脚注を付して、長期にわたった一連の研究成果を公刊したい。
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