研究課題/領域番号 |
02451024
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
徳永 恂 大阪大学, 人間科学部, 教授 (70027952)
|
研究分担者 |
宮田 敦子 大阪大学, 人間科学部, 教務職員 (90157652)
杉山 光信 東京大学, 新聞研究所, 教授 (70092020)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 反映論 / リアリズム / 表現主義 / マス・メディア / 大衆文化 / 文化産業 / ミメ-シス / フランクフルト学派 / 物神性 / 複製芸術 / 非同一性 / 同一性 / 映画 / ジャズ / 自律性 / アウラ / 近代(モデルネ) / コミュニケ-ション / 啓蒙 |
研究概要 |
芸術社会学は芸術と社会とを関係づけて研究する学問であるが、そういう基本的前提そのもののうちに、芸術の自律性を危くするアポリアがひそんでいる。その危険は、芸術の社会的研究の開拓者だったマルクス主義において著しい。それはマルクス主義の中でもっとも高度のレベルに達したルカ-チにおいても言えることである。本研究は、たんなるイデオロギ-論や実証主義的な調査に尽きない芸術社会学の理論的確立をめざし、一方では、エルンスト・ブロッホとルカ-チの間で行われた「表現主義論爭」、戦後のルカ-チをめぐる「リアリズム論爭」、ベンヤミンとアドルノの間で交された「複製芸術」「文化産業」をめぐる議論、クラカウア-の「映画論」など、数々の論爭史を交分な史料にもとづいて追跡し、他方では、そこから「全体性」「ミメ-シス」「コミュニケ-ション」等の基本概念を批判的に取り出すことによって、芸術社会学の方法論的な基礎を固めようとしたものである。それは徳永の長年にわたる「フランクフルト学派」研究の一環をなすものとして、東北哲学会、日本哲学会におけるベンヤミンについての報告および同学会の機開誌への論文として、さらに「ミメ-シス論」としては、大阪での記念講演・札幌での思想史研究会等での報告となって結実し、関連学会から高い評価を受けた。また共同研究者の一人杉山は、徳永との密接な共同作業にもとづき、主として「マス・メディア」とくに映画論の面からこの研究に加わり、多くの業績をあげた。もう一人の研究分担者宮田は、エリアス、グライマン等の歴史心理学的側面からの方法を論研究に寄与した。ただ歴史的にはハバ-マスの最近の「コミュニケ-ション行為論」の立場からの美学理論等は今後の課題として残されることになった。
|