研究概要 |
2年間の継続研究により、特殊教育教員養成と研修にかかわるいくつかの知見を得ることができた。それらに基づき、特殊教育関係の教員の資質の向上に役立つ有益な方途を見出すことができた。 1.教員養成系大学・学部の調査研究 特殊教育関係のカリキュラム,教授内容,設備等の実態の一部が把握され,わが国における現状は、今なおけっして十分ではなく,障害児の多様化に伴う教育的ニ-ズに見合った教員養成には、今後さらに検討すべき課題が多いことが明らかとなった。 2.現職研修についての調査研究 教員の研修の重要性は言を俣たないが,全国的なベ-スでの特殊教育教員研修の実態の一部が明らかいなった。研修の種類,内容等については、細分化すれば,極めて多くの類型が考えられるが,教員の資質向上の見地から,研修の重要性は今後更に増大するものと思われる。それに対しての幾分かの参考となるべき手がかりを得ることができた。このことは、大学における教員養成の在り方にも少なからず影響するもので、双方の相互関連の下に、有機的な対応が必要と思われる。 3.現職教員の意識についての調査研究 特殊教育請学校の教員の意識について調査研究を行い,かつ一部の学校の教員に直接面接して心境を確めることもした。調査研究の資料は、いくつかの視点から分析・検討を行ったが、教員の意識は予想したより堅実かつ安定しており,このことは特殊教育の基盤の強化にも関係するものであった。また現職教員が大学における教員養成になにを期待しているかも窺うことができた。結果の一部は,オハイオ州立大学から寄せられた研究とも比較し,日米の教員の意識の共通性,差異等についても部分的に明らかになった。今後の研究の推進にも役立つものである。
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