研究概要 |
本研究ではまづ、集団意去決定問題におけるあいまいな選好評価を取り扱うために、多属性リスク分析をファジィ理論を用いて拡張する方法を考察した。この研究は、ファジィ集合論のメンバシップ関数に基いて、個別はリスク関数の評価を集計する方法を開発するものである。また評価のあいまいさを可能性分布理論を用いて処理する方法も導入されている。こうした方向で特にファジィ多属性リスク関数を、多属性効用関数におけるリスク態度と斉合的な形式で構築することが考察された。 この研究の拡張は2つの方向で行われた。1つは、可能性分布によって評価されたファジィ・ゲ-ムを、国際的交渉過程におけるあいまい選好評価の導入の問題において利用することである。そこでは当事者(国)を含まない「外部提携」による、国際協力の代替的な形成についての評価を明示的に導入し、これによって当事者(国)を含む「外部提携」による図際協力の評価が修正される方法を提案した。いま一つの方法は、ファジィ集団意志決定の分析を,意志決定支援システム(DSS)と結合する方途を開発することである。これに関しては,DSSシステムが、それぞれの分野における理論的基礎をもつアルゴリズムと有効に結合する必要があることが強調される。この結果、DSSをインテリジェントDSSとして構築される必要があることが論じられ、この目的に応じるDSSのMain frameの構造について研究された。具体的には、集団意法決定をファジィ選好評価の形で考えることによって、ファジィ効用関数が、集団的初用関数として導出される方法を考察した。またこのような集団意志決定関題への1つの接近の方法の基礎として,協力ゲ-ムを効用分析と結合して用いる方法を考案し,数理計画のフレ-ム・ワ-クの中で,地域政策を評価する方法として利用されうることを、経験的なデ-タを用いた事例として研究した。
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