研究概要 |
本研究では,実際の霧の観察,その事前及び事後の調査,映像による調査,ランドサット画像による調査など5種類の調査を実施し,霧の観察前後での生徒の変容、霧の観察をした生徒と映像で霧を見た生徒との比較,ランドサット画像での地形や霧についての読み取りの実態などを調べた。 1.映像を観察した生徒と霧を体験した生徒との比較 事前調査では両者とも霧を静的にとらえているものが多いが,霧を体験した後の生徒は霧を動的なものとしてとらえる様になる。しかし,映像を見た後の生徒では霧を静的にとらえるものが依然として多い。 また,映像を見た生徒は霧の地形,気温,風などとの関わりにはあまり気づかないようである。 2.事後調査の結果からみた生徒の霧に対する強い印象 多くの生徒が,「霧が動くこと」,「霧の濃度の変化」,「霧が晴れる様子」など霧の動的な面を挙げている。 霧のイメ-ジについては、「不思議なもの」,「興味ある対象」,「神秘的なもの」など,事前調査ではほとんどみられなかった事項が多く挙げられた。これは,霧の観察によりそれに対する知的好奇心が一層強く現れたものと考えられる。 3.ランドサット画像による調査結果からみた環境認識の実態 飛騨地域を中心とするおよそ50万分の1のカラ-画像(B5判)により,高山市,大阪峠など,荒城川,宮川など国府中学の生徒にとっては身近な地域を同定することについては,河川についてはできがよくないが,地点についてはよくできる。霧の分布を地形図に書きこむことも割によくでき,霧の分布に関しても,盆地に広がっていること,場所によって濃淡の違いがあることなどをとらえている。
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