研究概要 |
技術・家庭科は,実践的・体験的学習を中心として学習が行われることから技能に関する指導の重要性は従来と同様であるが,授業時数が必ずしも十分でないことから,少ない時間で有効な指導を行うことが,従来以上にこの教育の課題となっている。技能指導は,ガニエの言う知的技能とともに身体動作の指導が重要である。従って指導においては,まず技能に含まれる知的技能の解明が必要であり,また身体動作の指導でも,単に反復練習によって勘やこつを習得させるというのではなく,身体動作の科学的解明が必要である。本研究では3次元解析装置を使用してかんな削り,のこぎり引き,釘打ちの作業動作及びパソコンキのキ-ボ-ド操作技能を3次元から解析し,技能の指導方法及び技能の指導のためのカリキュラムを開発し,その評価を行うことを目的としている。 平成3年度の研究においてはかんな削り,のこぎり引き,釘打ちの作業動作及びキ-ボ-ドの操作について熟練者,経験者,初心者を対象に3次元解析装置を使用して,それぞれの作業動作の計測を行った。そしてかんな削り作業とキ-ボ-ド操作についてはそれぞれの作業動作を解析し,技能の指導方法及び技能の指導のためのカリキュラムの開発を行い,開発されたカリキュラムの評価を実施した。かんな削り作業ではかんなの持ち方,かんなへの力の加え方,かんな削りの身体動作について指導したところ,従来の指導において必要としていた時間の半分程度の時間で,かんな削りの指導目標まで到達することができた。キ-ボ-ド操作では,ブラインドタッチの基本事項の習得について,指導計画で予定された学習時間(1過程20分,全体5過程100分)で指導目標を十分に達成することができた。のこぎり引きと釘打ちの作業動作については,解析作業を行っているところである。
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