研究分担者 |
武藤 秀夫 東京工業大学, 理学部, 助手 (20143646)
二木 昭人 東京工業大学, 理学部, 助教授 (90143247)
森田 茂之 東京工業大学, 理学部, 教授 (70011674)
福田 拓生 東京工業大学, 理学部, 教授 (00009599)
藤原 大輔 東京工業大学, 理学部, 教授 (10011561)
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研究概要 |
2次元球面の直積に正曲率のリ-マン計量が入るかどうかという,いわゆるホップの問題については,倉西変形が我々の研究の中心部分の一つである.初期計量での曲率0の平面の近傍では,ある変形で正曲率にできるが,その近傍外では依然として複雑で微妙な状況が残っている.この点今後も研究を続けていく.以下に今回の研究で得られた諸結果を説明する. 丹野は,積分可能性を仮定しないCR構造,つまり接触計量構造について,その(1,3)型の不変量の存在を示した.更に,モデル空間であるリ-マン多様体の単位接バンドルの標準的接触計量構造に関して,不変量が0であるための必要十分条件は,底空間のリ-マン多様体が定曲率ー1であることを示した. 藤原は,停留位相法における誤差の大きさについて,空間次元に無関係な評価式を導き,その応用として,ファインマンの経路積分をソボレフ空間上の広義積分とみて,その収束性を証明した. 森田は,低次元多様体の位相構造を研究し,トレリ群の構造と3次元ホモロジ-球面のキァソン不変量との関連を明かにした.尚,数学者国際会議において,曲面の写像類群の構造について講演を行った. 二木は,ケ-ラ-・アインシュタイン計量の存在に関する障害をイ-タ不変量として新しい解釈を与えた.また,リッチ曲率あるいはスカラ-曲率が正であるようなケ-ラ-多様体についての諸結果も得ている. 武藤は,ベラ-ル,ベソン,ガロ-によって与えられた,熱方程式の基本解によるリ-マン多様体からヒルベルト空間への埋め込み,を精密化し,2つのコンパクト・リ-マン多様体に対して距離を定義した.更に,測地的距離との関係を明らかにした.
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