研究分担者 |
永友 清和 大阪大学, 理学部, 講師 (90172543)
辻下 徹 大阪大学, 理学部, 助教授 (10107063)
小松 玄 大阪大学, 理学部, 助教授 (60108446)
田辺 広城 大阪大学, 理学部, 教授 (70028083)
池田 信行 大阪大学, 理学部, 教授 (00028078)
大山 陽介 大阪大学, 理学部, 助手
川中子 正 大阪大学, 理学部, 助手 (20214661)
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研究概要 |
双曲型方程式に関する諸問題を,偏微分方程式論の枠を超えて数学の諸分野からの視点をもって研究し多くの成果を挙げることが出来た.波動方程式の散乱理論は特に,ゼ-タ-関数の特異性を調べることにより,散乱行列の極に関する情報を得られることが解り,数学の諸分野が相互に深く関連していることを関連を豊に示すものとなった.この課題について,力学系のゼ-タ-関数の研究を行い,その中心的性質を如何にして取り出すか,解析的,幾何的,代数的にそれぞれ興味のあるものである.この問題につき積極的な研究を行ない多くの進展をみた. 双曲型方程式に近接する問題として,量子力学の散乱論があるが,磯崎はこれまで極めて困難な問題として手づかずに残っていた多体系の散乱行列核を決める問題に取る組み,その詳細な性質を取り出す道を見いだした.これは,新しい研究分野を切り開いたものであり,特筆すベき結果である.今後,この問題が大いに発展するものと思われる. 幾何学の関連に於て、偏微分方程式論に関連する問題が今日非常に興味を引いている.われわれは加須栄を中心としてリ-マン多様体の崩壊とラプラス作用素のスペクトルの関連を詳しく研究した。多様体が崩壊し,タイプの全く異なる多様体へ移るときの様子を,その多様体上のラプラシアンのスペクトルの挙動を一つの尺度として用いる方法を考えだし,その有効性示すことが出来た.これは,幾何学と解析学を結びつける顕著な例であり,今後の展開が待たれるものである.
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