研究課題/領域番号 |
02452020
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶田 隆章 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (40185773)
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研究分担者 |
中畑 雅行 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (70192672)
鈴木 洋一郎 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (70144425)
中村 健蔵 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (10011735)
戸塚 洋二 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40011712)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1990年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 物質内核融合 / 中性子 / 重水素 / チタン / パラジウム |
研究概要 |
本年度より東京大学宇宙線研究所神岡地下観測所の水チェレンコフ測定器を用いた物質内核融合の実験に着手した。本年度は物質内での重水素・重水素の核融合反応から発生する中性子の検出効率やバックグラウンドの測定を中心とした予備実験をおこなった。 実験は重水素を吸ったチタンやパラジウムの入ったシリンダ-を水チェレンコフ測定器の中心におろし、そこから出る中性子をそのまわり約10cmの厚さで囲んでいる塩水層の塩素原子核に吸わせ、その際発生するガンマ線を検出するという方法でおこなった。この方法で核融合の際発生する中性子の検出効率は20%,またバックグラウンドは1時間当り0.2カウントという結果を得た。これは、我々の実験が世界の他のどの実験より信号/ノイズ化が3桁以上よいということを意味する。 チタンやパラジウムに重水素ガスを吸わせた、いわゆる物質内核融合がおこりうるサンプルも計測したが、今までの所、有意な中性子の信号は観測されていない。ただし、今までの実験では重水素をチタンやパラジウムに吸わせるプロセスが理想的には進まなかったので、本年度の結果から中性子発生率の上限値はあえて求めていない。 我々は、来年度、重水素をチタンやパラジウムに吸わせる方法を改良し、最も信頼できるデ-タを長期にわたって収集し、物質内核融合の問題に決着をつける予定である。
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