研究課題/領域番号 |
02452024
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大隅 秀晃 大阪大学, 理学部, 助手 (70176882)
|
研究分担者 |
田中 純一 大阪大学, 理学部, 助手 (70236595)
佐野 弘和 大阪大学, 理学部, 助手 (00205999)
岸本 忠史 大阪大学, 理学部, 助教授 (90134808)
江尻 宏泰 大阪大学, 理学部, 教授 (80013374)
柴田 徳思 東京大学, 原子核研究所, 教授 (80028224)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
|
キーワード | 極低バックグラウンド / 精密核分光 / 超重荷電粒子 / 電荷非保存崩壊 / 暗黒物質 / 極低バックグランド / グ-クマタ- / WIMP |
研究概要 |
研究内容および成果は次の通りである。 1.極低バックグランド精密核分光用半導体検出器の開発を行った。 2.NaI検出器を用いたバックグランド測定の結果、本研究に関係にある低エネルギ-領域の(数keV〜数百keV)測定に ^<210>Pbが重大な影響を与えることがわかったので、既存のSi検出器を用いて ^<210>Pbの含有放射能が測定できる極低バックグランド測定法を開発した。 3.暗黒物質の候補となる粒子の散乱等で、超重荷電粒子が生成されると仮定すれば、その生成されたX^ー粒子はすぐ近くの原子核にトラップされてエキゾティック素粒子原子核ができる。 ^<100>Mo原子核にトラップされた場合普通の原子核では起こらない ^<100>MoX^ー→ ^<100>TcX^ー→ ^<100>RuX^ーという普通は起こらないベ-タ崩壊が観測されるはずである。またX^ーの存在によりエネルギ-が少しずれた ^<100>Ruの特性γ線が観測されるはずである。開発された極低バックグランド精密核分光用半導体検出器を用いてこの可能性を調べた結果X^ー粒子が存在しトラップする確率は、一つのMo原子核に対して2.8×10^<ー26>/sec以下であるという結果が得られた。 4.もし電子が放出されない電荷非保存弱崩壊(エキゾチック素粒子原子核稀崩壊)が存在すれば、 ^<100>Mo→ ^<100>Tc+ν+ν^^ーがエネルギ-的に可能になる。上と同様の方法を用いてこの崩壊の寿命を調べた。その結果下限値が1.1×10^<18>年であるという結果が得られた。この結果より電荷非保存崩壊の結合定数の上限値がe^2_W=(G^<CNC>/G_F)^2<2.3×10^<ー20>であることがわかった。またNaI検出器を用いて ^<127>I+e_K→ ^<127>I^*+νという電子消滅核変換による励起核 ^<127>I^*からのγ崩壊の存在可能性を調べることにより、電荷非保存崩壊の上限値e^2_W=(G^<CNC>/G_F)^2<1.1×10^<ー24>を得ることができた。 5.NaI検出器中の原子核はすべて有限のスピンを持っている。従ってスピンと結合する暗黒物質を反跳法で測定できる良い検出器となりうる。またヨウ素原子核の中性子数が多いことからスピンと結合しない暗黒物質の検出器としても有効である。今まで反跳原子核のエネルギ-と検出器の出力の関係の基礎デ-タが存在しなかったので、暗黒物質の反跳法を用いた検出器として用いられていなかったが、中性子散乱を用いて検出器の出力と原子核反跳の基礎デ-タ測定し、暗黒物質の新しい探索法を開拓した。
|