研究概要 |
1.接触面形状の測定法の確立 触針法による3次元表面形状データの採取法、および同データの解析法を詳細に検討した結果、従来の方法に換わる新たな方法を考案し、論文(1)として投稿した。 2.初期接触問題 3次元表面形状データを用いたコンピュータ・シミュレーションを行ない、局所荷重の変化を詳細に追跡し、局所荷重の平均値は見かけの荷重に依らず一定値を示すことが見いだされた。この結果は初期接触問題への一つの解として適用することが出来ると考えられる。詳細は論文(1)として投稿された。 3.応力下での接触状態が波動の減衰に及ぼす影響 実験結果を理論解析と対応させることにより、接触面の透過波動に対する応答は、純弾性的ではなく粘弾性的であることが判明した。この結果は論文(2)として投稿した。 4.滑り開始条件 マクロな意味での滑りが開始する時、ミクロな観点からこれを見ると、真実接触点では部分滑りが発生し、変位の進行によって全面滑りを起こす接触点の数が次第に増加する、という過程が、実験結果および理論解析から明らかとなった。この結果については論文(3)、および(4)として既に刊行された。 5.塑性変形モデルの確立 従来の弾性変形モデルに加え、塑性変形の効果をも考慮した接触理論が提唱され、これまでの実験結果をよく説明することが見いだされた。結果は論文(1)として投稿された。 6.取りまとめ 本研究課題の最終年度に当たる為、報告書を作成し、提出した。 【論文】(1)N.Yoshioka,Elastic and Plastic Behavior of contacting surfaces under normal load,submitted to JGR,(2)N.Yoshioka and M.Kikuchi,Visco-elastic response of joints to transmission waves,submitted to GRL,(3)Biegel et al.,JGR,97,8951-8964,1992,(3)Boitnott et al.,JGR,97,8965-8978,1992
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