研究概要 |
本研究はハ-ドコピ-の色再現を視覚の特性を考慮して最適に設計することを目的になされたものである.研究は大きく分けて二つの立場から行った.ひとつはネガポジ方式のカラ-フィルムにおける色再現とCRT(テレビ)画像からの印刷,ハ-ドコピ-化における色変換の問題である. カラ-フィルムでは不特定多数の人々がきわめて多く手法で撮影を行う.特に,照明光源の変動が大きくそれが色再現に大きな影響を与える.そこで,ここではネガ画像のR,G,B累積密度関数,平均色度,最大濃度点での色度を主な特徴ベクトルとする撮影光源判別のアルゴリズムを開発した.ここから画像中の肌色領域,顔パタ-ンの抽出を行いその領域の色を任意に変換することを試みねがポシ方式のカラ-フィルムの色再現向上に大きく寄与した.また,パイプライン処理を導入したプリントシステムを構築しその有用性を確かめている. 一方テレビ画像からハ-ドコピ-に関しては新聞印刷と昇華型感熱画像について研究した.ここでは特にRGBからCMYへの色変換を1000色のチャ-トのCRTと印刷画像における色差の和が最小となるように非線形項を含む変換マトリクスの係数を決定した.また,テレビ画像中4000個の肌色を測定しその分布が確率楕円で近似できることを示した.この肌色に基ずいて肌色マトリクスを求め色変換を行ないそれぞれのマトリクスで色変換された画像を合成し印刷する新しい手法を開発した.これらは昇華型ハ-ドコピ-の色再現にも応用しよい結果を得た. 以上のように本研究で提案されたアリゴリズムは今後のハ-ドコピ-の画像設計,色再現改善に多大に寄与すると考える.
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