配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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研究概要 |
交流電位差法を用いて応力拡大係数K_Iを計測・評価する手法を開発し、その有効性を検証した。成果をまとめて以下に列記する。 1.強磁性体および常磁性体の両者において、二次元き裂試験片に新たなき裂進展を起こさせない程度で作用させた負荷を変化させたとき,電位差の変化とK_Iの変化量の間には比例関係が存在することを見出した。 2.き裂材の表面電位分布問題において、透磁率μと電気伝導度σなる二つの物性値を独立ではなく,√^3<μ/σ>なる形で一つにまとめて扱えることを示し、これをγと表した。 3.三次元表面き裂材の負荷に対する電位差の変化を理論解析するために、き裂前縁に沿って分布するラインインピーダンスを導入した。その特性をγの変化によって決定した。ここにγの変化は二次元き裂の実験に基づき、K_Iに比例する形で与えた。 4.計測電位差変化と理論解析結果を照合し,逆問題解析によりK_Iを評価する方法を提案した。 5.実際に三次元表面き裂へ本手法を適用し,その有効性を検証した。 6.上記の交流電位差法によるK_Iの計測手法を実機へ適用するための基礎として,電流入出力線と電位差計測線の位置関係が,荷重変化に伴う電位差変化量に及ぼす影響について検討した。 なお上記項目1.およびそれに関連した成果を発表した論文より,本研究組織の研究者らは1992年にSociety for Experimental Mechanics(米国)のR.E.Peterson Awardを受賞した。また項目4.,5.の成果を発表した論文により平成4年度日本機械学会賞(論文賞)を受賞した。
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