研究概要 |
各種動力プラントなどのレイアウト設計は,工学設計の中でも高い比率を占めているが,自動化が困難で熟練者による多大な労力を必要としており,自動化のニ-ズが高い。本研究では,知識情報処理を応用したレイアウト設計の支援手法を確立すると共にシステムの実現をはかる。得られた成果は次のとおりである。 (1)システムの構想の確立:レイアウト設計における処理を,プラントの構成機器の間で満たすべき「配置制約」と,それをもとに自動配置を行うための「配置アルゴリズム」に分離することによってシステムを構成する。前者については,具体的な原子力発電プラントのレイアウト設計問題を調査し,約630個の配置制約を抽出・設定した。後者に対してはオブジェクト指向プログラミングを用いた制約指向による探索アルゴリズムを確立した。 (2)数理計画法とハイブリッド化:上記の処理に加え,数理計画法による最適化手法とのハイブリッド化を行い,プラント全体配置空間の極小化や詳細配置寸法の決定などを可能とした。 (3)ワ-クステ-ション上における知的インタフェイスの実現:上記の構想を,本課題の補助金にて購入したワ-クステ-ションSunー4/65GX上にCommon LISPとC言語によるプログラミングによって実現し,レイアウト設計の自動化と共に,ユ-ザに使いやすいインタフェイスを構築した。 (4)実際の原子力発電プラントのレイアウト設計に本システムを適用して有効性を確かめると共に,さらにタイプの異なるいくつかの原子力発電プラントについても,本設計システムが極めて有効であることを明らかにした。さらに本システムでは,レイアウトの設計に関する知識の自動獲得など,機能の拡張についても研究を進めつつある。得られた成果は,日本機械学会,ASMEなどで発表した。
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