研究概要 |
本研究で目指しているマイクロロボットは小さな機械部品と論理電子回路をもつ微小機械,つまり,コンピュ-タを内蔵した1mm〜2mm程度の微小なロボットのことを云っている。目下のところ,微小機械部品の製作には,半導体あるいはIC回路製作技術を転用している。したがって,シリコンウエハ上に機構が製作されることになる。 本研究の目的は,CVD(Chemical Vapor Deposition)やエッチングのようなIC製造プロセスをどのような順序で,どのような描画を行いながら進めてゆけば所定のものが得られるかを自動的に生成してくれるようなソフトウェアシステムを作り上げることである。 現在のところ,我々の研究室で使用可能な半導体製造プロセスは,CVD,真空蒸着,プラズマエッチング,化学薬品(フッ酸など)によるウェットエッチングである。このような限られた手段をいかに組み合わせて目的を達成するかは,まさにAI(Artificial Intelligence)の分野のプラニングの題材である。 初年度は,半導体プロセスの優先順序に注目し,半方向グラフでプロセスを表現し,このグラフを適当な書き換えル-ルの下に変換してゆき一本のプロセスグラフが得られれば,プラニングは完了するという考えの下に,プロセス列とマスクパタ-ンを入力すると,完成する層の断面図を出力するシステムを作成した。 最終年は,研究の範囲を少し巾広くすることを試み,人間が考えたコンセプトが,マイクロアクチュエ-タのシステムとして,具体的にどのような構成として実現できるのかを,人間とコンピュ-タが会話形式で進めてゆくシステムを構築した。
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