配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
研究概要 |
スフェロマックプラズマは磁気核融合閉じ込めプラズマの一種であって,主要な閉じ込め磁界成分を内部電流自身によって発生することを特徴としている。そのために極めて単純なマグネット構成でプラズマを閉じ込めることができることから,将来の炉心としての発展が期待されている.このスフェロマックの内部電流を定常的に維持するために提案されている方式の一つが磁気ヘリシティー注入法であって,外部より磁束のねじれを注入することにより,内部の磁束のねじれを維持して,結果として内部電流を維持するものである。本磁気ヘリシティー注入法においては,外部よりポロクダル成分の電流を駆動してヘリシティーを注入する同軸型プラズマ銃方式と,トロイダル成分の電流を駆動するOH変流器方式を採用して,それぞれをスフェロマック発生装置TS-3に適用して内部電流の維持を試み,その特性を検討したものである。TS-3によって発生されるスフェロマックプラズマは大半径約20cm,小半径15〜20cmのもので,温度は10〜20eV,電子密度は(2〜5)×10^<14>cm^<-3>程度である。このプラズマの自然減衰時間は約30〜40μsであるが,本研究の成果としてヘリシティー注入によって3〜5倍の時間にわたって配位を維持することに成功した。配位維持の機構に関しては,特にOH変流器方式を採用した場合に対して磁気測定および光学測定を行い,ヘリシティー注入時のプラズマの電磁流体的挙動の役割を明かにすることができた。時に光学測定においては円環トロイダル面領域に対する可視光計算機トモグラフィーを新たに開発して,トロイダル不安定モードの時間発展を観察することに成功した。この結果,OH変流器によって駆動されたトロイダル電流は,トロイダルモードn=2,3のキンク不安定によってポロイダル電流を発生し,結果としてスフェロマック固有の磁気配位が長時間にわたって維持されていることを見出した。
|