| 研究概要 |
(1)流路工の水理学的特性のその防災機能の評価手法(河村三郎)
2段階LaxーWendroff法とMacCormack法を,床固め工を有する流路工の水面形計算に適用した.床固め工を複数基有する流路工の水面形の実測値と計算値の比較をから,MacCormack法による水面形計算が流路工内の水面形を精度よく再現できることがわかった.数値振動を抑えるには,TVD形式のMacCormak法が有効である.このスキ-ムにより,水路床勾配が急変するために生じる跳水の計算が可能である.また,跳水部を含む常・射流混在流の流れの計算が可能であることが確認できた.
(2)射流合流部の水理学的特性と防災機能の評価(藤田一郎)
非定常場における合流部の逆流域(剥離泡)の平均的な規模や剥離渦の運動特性を,LESモデルにより明らかにした.定常場の場合は,Kーεモデルを用いた計算から,従来の標準的なモデルでは逆流域を過小評価する結果になることを示した.実際の流れ場の逆流域の様子は画像処理手法を用い,直角合流部での剥離渦の時間・空間的な運動特性を明らかにした.射流部を有する合流部の水理実験により,跳水の発生限界と,逆流域が流量比の増大とともに減少するという実験事実を得ることができた.
(3)流路工湾曲部の土砂水理学的特性とその防災機能の評価(中谷剛)
TVDーMacCormack法を利用し,床固め工下流部の1次元的な河床変動計算を試みた.流路工屈曲部と湾曲部を対象にその局所洗掘特性を調べた.その結果から直線流路の場合の床固め工下流の最大洗掘深を与える式を提案した.湾曲部に床固め工を設置した場合に生じる局所洗掘特性は,床固め工の天端形状が水平な場合と,中央に向かって緩やかな勾配を持つタイプとでは,局所洗掘の抑制効果に相違があることがわかった.
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