研究概要 |
高強度鉄骨HT60と,600kgf/cm^2の高強度コンクリートを用いた充腹形鉄骨鉄筋コンクリート柱の中心圧縮破壊性状曲げ破壊性状およびせん断破壊性状を実験的に検討した。従来の普通強度鉄骨SM490Aと300kgf/cm^2級のコンクリートを用いた場合と比較検討できることに重点をおいて,各実験シリーズの実験変致として,鋼種(SM490A,HT60),コンクリート強度(300,600kgf/cm^2),鉄骨断面形状(十字形,H形),帯筋の材料強度(3000,8000,13000kgf/cm^2),帯筋量(20,60,90kgf/cm^2)および作用軸力比(中心圧縮耐力の30%,50%)を選択した。計画した試験性は,中心圧縮実験で24体,曲げ実験で10体,せん断実験で10体,曲げせん断実験で7体,総計51体である。各シリーズの実験結果の考案と理論的な検討によって得られた総括的な結論は以下の通りである。 1)高強度鉄骨HT60と600kgf/cm^2の高強度コンクリートを用いた充暖形鉄骨鉄筋コンクリート性の中心圧縮耐力,終局曲げ耐力,終局せん断耐力は,いずれの場合も,コンクリート強度360kgf/cm^2,鋼材SM520までを適用範囲とする鉄骨鉄筋コンクリート構造計算規準の耐力計算式によって評価できる。 2)中心圧縮破壊および曲げ破壊において,帯筋量が終局耐力にあたえる影響は小さいが,しかし,最大耐力次後の変形能力には強い影響をあたえ、帯筋量が増加すると享形能力およびエネルギー消費能力は増加する。 3)高圧縮力をうける鉄骨鉄筋コンクリート柱において高強度の鉄骨とコンクリートを用いてその断面を小さくする芽が可能であるが,その場合には高強度の帯筋などで適量の帯筋量を用いる事が必要である。なお,その場合には帯筋内隔などに制限値を設ける必要がある。
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