研究概要 |
カントリエリベ-タの貯蔵サイロ(容量:600t)の1/15スケ-ルであり,中心軸を含む前面を透明なガラスで構成した半割りモデルサイロ(全高:1960〜2140mm,直径:470mm)を試作し,穀粒層上の物体の沈降埋没挙動に関する実験を行った。コ-ン角は50°および70°,排出口径は50mmおよび70mmの各々2水準とした。 籾をモデルサイロのホッパ-部上1400mmの高さまで層高さを種々変えて充填し,ホッパ-排出口の開放にともなう充填籾層の上表面に静置したウエイト(接地圧or約20〜59g/cm^2)の沈降埋没挙動ならびに,上表面の中央に負荷を有する充填籾層のフロ-パタ-ンをビデオカメラにより記録した。記録したビデオ画像より時間経過にともなうウエイトの沈降変位およびトレ-サの降下変位を数値化し解析を行った結果,1)コ-ン角が70°に比べ50°の場合,サイロの中心軸に沿ったマスフロ-領域が広く,重力流下する層上ウエイトの籾層への沈降埋没現象が,サイロ円筒部において生じにくい傾向を示した。2)籾層上に置いたウエイトの接地圧により籾層のフロ-パタ-ンに変化が認められる一方,排出開始後の時間経過にともない,接地圧が大きいほどサイロの中心軸に沿った籾層の降下速度は大きくなる傾向が認められた。3)コ-ン角50°の場合,ウエイトの沈降埋没現象がホッパ-部直前において生ずるのに対し,70°においてはファネルフロ-の領域が広く,その影響により,排出開始後の比較的早期の段階で沈降埋没現象が認められたこと等を明らかにした。
|