研究課題/領域番号 |
02452289
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石野 栞 東京大学, 工学部, 教授 (70010733)
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研究分担者 |
河西 寛 東京大学, 工学部, 助手 (40010970)
関村 直人 東京大学, 工学部, 助教授 (10183055)
岩田 修一 東京大学, 人工物工学研究センター, 教授 (50124665)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1992年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 圧力容器鋼の照射脆化 / 鉄基モデル合金 / イオン照射 / 陽電子消滅 / Sパラメータ / 銅の効果 / 空孔ー銅複合体 / 中性子照射 / 空孔-銅複合体 / 微小硬さ試験 / 透過型電子顕微鏡観察 / 陽電子消滅法 / 欠陥クラスタ- / 圧力容器鋼 / 純鉄 / 鉄合金 / 照射脆化 / 添加元素効果 / 照射硬化 / 照射組織変化 |
研究概要 |
本年度も引き続き鉄をベースに炭素、銅、ニッケル量を変化させたモデル合金を試料として用いた。このモデル合金に対して、東京大学原子力研究総合センター重照射研究設備(HIT)にてニッケルイオン照射、水素イオン照射を行うとともに、材料試験炉(JMTR)にて中性子照射を行った。 本年度は筑波大学物質工学系谷川研究室と共同で進めている陽電子消滅測定を重点的に行った。3MeVのニッケルイオンを290℃で1mdpa照射したモデル合金に対して、エネルギーを細かく変化させながら陽電子を注入し、金属中の電子と陽電子が対消滅する際に放出するγ線のドップラー広がりを半導体検出器によって測定した。いずれの成分の試料でも未照射材に比べて空孔型欠陥の生成を示すSパラメータの上昇が確認された。添加元素による効果を調べたところ、銅を添加された試料はされないものに比べてSパラメータの上昇度が大きいことが確認された。また、ニッケル添加はSパラメータ上昇に効果を及ぼさず、銅との相乗効果も見られなかった。このようなことから、鉄中の銅と空格子点との間には強い相互作用があり、空孔ー銅複合体が形成されていると推定している。以上の結果は10月の日本金属学会において報告された。3MeVのプロトンを照射したモデル合金に対しても同様の測定を試みたが、導入される欠陥濃度が低く、Sパラメータの上昇が検出されなかったので、同様の測定を行うには照射量を増やす、あるいはイオンエネルギーを下げるなどの変更が必要であることがわかった。 JMTRでの中性子照射実験では本年度から中性子エネルギースペクトルを変化させた照射、および中性子束を1桁変化させた照射を開始したが、電子顕微鏡観察などの照射後実験は5年度以降に行うことになっているが、本研究の成果はこれら中性子照射データの解析に有用な基礎を与えるものとなろう。
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